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債務整理のデメリットで後悔しないために|任意整理・個人再生・自己破産の違いを比較

「債務整理にはデメリットがある」という話を聞いて、踏み出せずにいませんか。クレジットカードが使えなくなる、家族に影響が出る、職場にバレる——そんな不安が頭をよぎると、なかなか相談の一歩が踏み出せないものです。

ただ、実際には「聞いていたより怖くなかった」という経験者の声が多いのも事実です。不安の多くは、正確な情報を知らないことから生まれています。任意整理・個人再生・自己破産の三つの手続きは、それぞれデメリットの中身が異なります。自分に関係のない手続きのデメリットを過大に怖がっているケースも少なくありません。

この記事では、手続き別にデメリットを整理したうえで、「実際にはそれほど深刻でない部分」についても正確に解説します。借金問題を抱えたまま放置した場合のリスクとも比べながら、後悔しない判断ができるよう情報を届けます。

読み終えるころには、「自分に必要な手続きのデメリット」だけを正確に把握し、次の行動を判断できる状態になっているはずです。

目次

債務整理のデメリットを理解する前に知っておきたいこと

デメリットの話に入る前に、一つ確認しておきたいことがあります。債務整理に対して感じる不安や恐怖は、多くの場合、正確な情報ではなく「なんとなく悪いイメージ」から来ています。その誤解を先に解いておくことで、デメリットをより正確に受け止められます。

また、三つの手続きの基本的な違いも最初に整理しておきます。任意整理は裁判所を通さずに貸金業者と直接交渉し、将来の利息をカットして分割払いにする手続きです。個人再生は裁判所を通じて借金の元本を大幅に圧縮し(原則5分の1程度)、残りを返済する手続きです。自己破産は裁判所を通じて借金の返済義務をゼロにしてもらう手続きです。デメリットの重さは、この順に大きくなる傾向がありますが、効果もこの順に大きくなります。

「デメリットが怖い」と感じる理由の多くは誤解から来ている

債務整理に対してよく聞かれる誤解を三つ挙げます。

一つ目は「家族の信用情報にも傷がつく」という誤解です。実際には、信用情報は個人ごとに管理されています。本人の手続きが家族の信用情報に影響を与えることは原則ありません。配偶者や親のカードが使えなくなったり、家族が住宅ローンを組めなくなったりすることは基本的にはないのです。

二つ目は「職場に知られる」という誤解です。任意整理や個人再生の場合、勤務先への通知は行われません。自己破産でも、裁判所から職場に連絡がいくことはありません。会社に知られる可能性があるとすれば、給与の差し押さえや退職金の照会が行われる場合などに限られます。

三つ目は「一生カードが使えない」という誤解です。信用情報への登録期間は手続きによって5〜10年程度です。その期間を過ぎれば登録は消え、再びクレジットカードの審査を受けられるようになります。永久にカードが持てないわけではありません。

こうした誤解が重なって「債務整理は怖い」という印象が作られているケースが多いです。デメリットを正しく知ることは、不必要な恐怖を取り除くことにもつながります。相談に来た方の多くが、「実際に話を聞いてみたら、思っていたよりずっと怖くなかった」と口にします。まずは誤解を解くことが最初のステップです。

借金を放置した場合のリスクとデメリットを比較する視点

債務整理のデメリットを考えるとき、「放置した場合に何が起きるか」との比較も欠かせません。デメリットを恐れるあまり何もしないことが、より大きなリスクを生んでいるケースもあるからです。

借金を放置した場合に起きうる主な出来事は以下のとおりです。

・延滞による遅延損害金の加算(年率14.6%程度が上限)
・貸金業者からの督促・取り立て電話
・訴訟を起こされ、判決後に給与や口座を差し押さえられる
・保証人への請求
・信用情報機関への事故登録(放置でも登録される)

特に差し押さえは、職場の給与担当者に知られる形で実行されます。「バレたくない」と思って放置していた場合でも、差し押さえという形でむしろ確実に職場に知られる結果になりかねません。さらに、延滞が続くほど遅延損害金が積み上がり、元の借金額よりも大幅に膨らんでいくケースがあります。

信用情報への事故登録は、債務整理をしなくても、一定期間の延滞が続けば行われます。つまり「手続きをしないことで信用情報を守れる」という考え方は正確ではありません。延滞を続けても、手続きをしても、信用情報には傷がつきます。それなら、早めに手続きをして借金を整理し、生活再建に向けた時計を早く動かし始めた方が合理的な判断といえます。

債務整理にはたしかにデメリットがあります。しかし、それは放置した場合のリスクと比較して判断する必要があります。多くの場合、早めに手続きを選択した方が最終的な影響は小さくなります。

全手続き共通のデメリット|ブラックリストとは何か

手続きの種類にかかわらず、債務整理を行うと共通して起きるのが信用情報への記録です。俗に「ブラックリスト」と呼ばれるこの状態について、正確に理解しておきましょう。

信用情報に事故登録される期間と対象機関(CIC・JICC・KSC)

日本には個人の信用情報を管理する三つの機関があります。CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)、JICC(日本信用情報機構)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の三機関です。

CICは主にクレジットカード会社・信販会社・消費者金融が加盟しており、カードや分割払いの審査で照会されます。JICCは消費者金融・クレジット会社・保証会社などが加盟しています。KSCは銀行・信用金庫・信用組合などが加盟しており、住宅ローンや銀行系ローンの審査で照会されます。

債務整理を行うと、これらの機関に「事故情報」として登録されます。登録される期間の目安は手続きによって異なります。

・任意整理:完済から5年程度
・個人再生:手続き開始から5〜10年程度
・自己破産:手続き開始から5〜10年程度(KSCは10年)

この期間中、クレジットカードの新規発行や各種ローンの審査に通りにくくなります。これが実質的な「ブラックリスト状態」の意味です。

ただし、登録期間が過ぎれば情報は削除されます。過去の事故情報が永久に残り続けるわけではありません。5〜10年という期間は確かに長く感じますが、その後は信用情報がリセットされた状態でスタートできます。

ブラックリスト中に制限されること・されないこと

ブラックリスト状態になると何ができなくなるのか、逆に何は問題ないのかを整理します。

制限されること(信用情報の照会が必要なもの)は以下のとおりです。

・クレジットカードの新規発行・更新
・消費者金融・銀行からの借り入れ
・住宅ローン・自動車ローン・教育ローンなど各種ローン
・携帯電話端末の分割払いによる購入
・信販系の家賃保証会社を利用した賃貸住宅の契約

一方、制限されないことも多くあります。

・現金での買い物・支払い
・デビットカード・プリペイドカードの使用
・賃貸住宅の契約(信販系以外の保証会社を利用すれば可能)
・公共料金の支払い(口座振替・現金払い)
・公共交通機関のICカード利用
・通常の銀行口座の維持・利用
・スマートフォン決済(PayPay・楽天ペイなど)の利用

日常生活で現金・デビットカード・振込を使っていれば、多くの場面で困ることはありません。「カードが使えなくなる=生活が成り立たなくなる」という状況には、実際にはなりにくいのです。特にスマートフォン決済が普及した現代では、クレジットカードなしでもキャッシュレス決済を活用できる場面が格段に広がっています。

保証人への影響はどうなるか

保証人がいる場合、債務整理の内容によって保証人への影響が生じます。これは誤魔化しのきかない、正確に理解が必要な点です。

任意整理では、保証人がついている債務を整理対象から外すことができます。対象から外せば保証人への請求は発生しません。ただし、その債務は自分で通常どおり返済し続ける必要があります。

個人再生と自己破産では、基本的にすべての債務が手続きの対象となります。そのため、保証人がいる債務について、貸金業者は保証人に対して請求を行います。保証人にとっては突然の請求になりますので、事前に話し合いをしておくことが重要です。

保証人への影響を最小限にしたい場合は、任意整理で保証人付きの債務を対象から外す方法を弁護士・司法書士と相談するのが現実的な選択肢です。また、家族が保証人になっている場合は、弁護士から保証人への通知が届くことで初めて知られるケースもあります。心配な場合は、弁護士に相談した時点でどのようなタイミングで保証人に影響が及ぶかを確認しておくとよいでしょう。

任意整理のデメリット|元本は減らない・和解不成立のリスク

任意整理は、弁護士や司法書士が貸金業者と直接交渉し、将来発生する利息をカットしたうえで分割払いの和解を目指す手続きです。三つの手続きのなかでは最も手軽に利用できる一方、固有のデメリットもあります。

任意整理で解決できないケースとは

任意整理の最大の特徴は「元本を減らせない」点です。個人再生や自己破産と違い、借りた元本そのものが圧縮されるわけではありません。将来の利息(将来利息)をカットし、残った元本を3〜5年で分割払いする形が基本です。

つまり、元本が大きすぎる場合や、分割払いに対応できる収入がない場合には、任意整理で解決できません。たとえば、元本合計が500万円ある場合、3年分割なら毎月約14万円の返済が必要になります。それだけの返済余力がなければ、任意整理ではなく個人再生や自己破産を検討する必要があります。

また、相手方(貸金業者)が交渉に応じない場合もあります。任意整理はあくまで任意の交渉ですので、業者側が応じなければ和解は成立しません。消費者金融や信販会社は比較的応じやすい傾向がありますが、一部の業者は分割払いに応じなかったり、条件が折り合わなかったりするケースもあります。全業者と和解できないケースもゼロではないことを理解しておきましょう。

収入が不安定な場合は利用できないことがある

任意整理では、和解後の分割払いを「継続的に支払い続けられる」ことが前提です。そのため、収入が不安定な人や無収入の状態にある人は、利用が難しいと判断されることがあります。

フリーランスや自営業者でも利用できますが、収入の波が大きい場合は業者側から和解に難色を示されることがあります。また、失業中・療養中などで現在収入がない場合は、任意整理より個人再生や自己破産の方が適している可能性があります。

どの手続きが自分に合っているかは、借金の総額・収入・財産の状況を踏まえて判断する必要があります。弁護士・司法書士への無料相談でこの点を確認するのが最初のステップです。「任意整理が向かない」と判断された場合でも、ほかの手続きで対応できる場合がほとんどなので、一つの手続きが使えないとわかっても諦める必要はありません。

個人再生のデメリット|官報掲載と複雑な手続き

個人再生は、裁判所を通じて借金の元本を大幅に圧縮(原則5分の1程度)し、残りを3〜5年で返済する手続きです。住宅ローン特則を使えばマイホームを手放さずに借金を減らせるため、持ち家がある方に選ばれることが多い手続きです。一方で、独自のデメリットもあります。

官報に名前が載ることの実態

個人再生(および自己破産)では、手続きの内容が官報に掲載されます。官報とは国が発行する機関誌で、法令や公告などが掲載されます。

「官報に名前が載る=世間に広まる」と恐れる方は多いですが、実際に日常生活への影響はほとんどありません。官報を日常的に閲覧する人は、弁護士・金融機関・一部の債権回収業者など特定の関係者に限られます。一般的な知人・家族・職場の同僚が官報を見て知るケースは、現実にはほぼないと考えてよいでしょう。

インターネット上でも官報情報が検索できるサービスはありますが、名前や住所で検索しようとする人がいなければ、実際に知られることはありません。芸能人や著名人であれば話は別ですが、一般の方については「知り合いが偶然見つける」可能性はきわめて低いのが実態です。

ただし、金融機関や信用保証会社は官報を確認することがあります。そのため、金融機関に勤めている方や保険外交員・宅地建物取引士など一部の職種では影響が出る可能性があります(後述の職業制限の項目も参照してください)。

対象債務を選べない・手続き費用が高い点に注意

個人再生では、一部の債務だけを選んで整理することができません。原則としてすべての借金が手続きの対象となります。任意整理のように「この業者だけ整理して、別の業者は対象外にする」という選択ができないのです。

たとえば、保証人がついている債務も対象に含まれるため、保証人への影響が避けられないケースが出てきます。この点は、保証人のいる借金がある方にとっては大きな検討ポイントです。奨学金など保証人がついているケースも同様です。

また、個人再生の費用は三つの手続きのなかでも高めです。弁護士費用の相場は30〜60万円程度とされており、裁判所への予納金も数万円単位で必要です。さらに、裁判所への書類提出・履行テストなど手続きが複雑で、申立てから認可決定まで6〜12ヶ月程度かかる場合もあります。

費用や期間の負担は大きいですが、元本が大幅に減額される効果も大きいため、借金の総額が多い場合にはコストに見合う手続きといえます。たとえば500万円の借金が原則100万円程度に圧縮されるとすれば、弁護士費用50万円を引いても大幅な節約になります。

自己破産のデメリット|財産処分と職業制限の正確な理解

自己破産は、裁判所に申し立てて借金の返済義務をゼロにしてもらう手続きです。三つの手続きのなかで最も効果が大きく、元本を含めてすべての借金がなくなります。一方で、財産の処分や職業制限など固有のデメリットがあります。ただし、これらも正確な内容を知ると「思ったより限定的」であることがわかります。

処分対象となる財産の基準(20万円超が目安)

自己破産では、一定以上の価値がある財産が処分の対象となります。目安とされているのは「20万円超の財産」です。たとえば、現金・預貯金・不動産・自動車・有価証券などが該当します。

ただし、すべての財産が取り上げられるわけではありません。生活に必要な財産は「自由財産」として手元に残せます。自由財産の主な例は以下のとおりです。

・99万円以下の現金
・生活に必要な家財(家具・家電・衣服など)
・差押えが禁じられている給付(年金・生活保護費など)
・価値が20万円以下の財産

多くの方は車を持っていないか、持っていても価値が20万円以下の中古車であったり、預貯金が少額であったりします。そのような場合、実質的に手放す財産がほとんどないケースも少なくありません。「すべてを失う」というイメージは実態と乖離していることが多いのです。

なお、自由財産の範囲は裁判所の判断によって拡張される場合があります。たとえば、仕事に必要な車については、裁判所の裁量で自由財産として認めてもらえる場合があります。財産の処分が心配な場合は、弁護士に具体的な財産リストを見せて確認するのが確実です。

職業制限は「手続き中の2〜6ヶ月のみ」である理由

自己破産を申し立てると、手続き中(免責許可決定が出るまでの期間)は一部の職業に就けなくなります。対象となる職業は、弁護士・司法書士・税理士・公認会計士などの士業のほか、警備員・保険外交員・宅地建物取引士など法律で定められた職種です。

ただし、この制限は「免責許可決定が出るまでの間」だけです。免責が決定すれば制限は解除され、元の職業に戻れます。自己破産の手続き期間は、同時廃止事件(財産がほとんどない場合)で2〜4ヶ月程度、管財事件(財産がある場合)でも概ね6ヶ月〜1年程度です。

つまり、職業制限は「永続する制限」ではありません。該当する職業に就いている方は手続き中に仕事を一時的に外れる必要が生じる場合がありますが、免責後は職場に戻れます。この点を誤解して「自己破産したら一生その仕事ができない」と思い込んでいるケースは多いので、正確に理解しておきましょう。

なお、公務員や会社員については職業制限はありません。会社に解雇される根拠にもなりません。自己破産を理由とした解雇は不当解雇にあたります。また、「自己破産すると資格を剥奪される」という誤解も聞きますが、これは誤りです。免責後は資格の制限も解除されます。

官報掲載・郵便物チェックなど生活上の制約

自己破産の手続き中には、官報掲載のほかにもいくつかの生活上の制約があります。

一つは郵便物のチェックです。管財事件の場合、破産管財人(裁判所から選任された弁護士)に郵便物が転送され、財産状況の確認のために開封される場合があります。ただし、これも手続き期間中に限られます。プライバシーが気になる方も多いですが、管財人には守秘義務があり、業務上知った情報を外部に漏らすことは禁じられています。

もう一つは住所変更・長期の旅行・出国に関する制約です。手続き中は裁判所や管財人への連絡・協力が必要なため、無断での転居や長期出国は認められません。事前に申告すれば短期の旅行については問題ない場合がほとんどです。仕事での出張なども基本的には問題ありません。

これらの制約はいずれも手続き期間中のものです。免責許可決定後は通常の生活に戻ることができます。手続きに入る前に弁護士から制約の内容を説明してもらえば、心構えができるので不必要な不安を感じることも少なくなります。

「思ったほど深刻でない」デメリットの実態

ここまでデメリットを手続き別に解説してきました。このセクションでは、よく心配されるものの、実際にはそれほど深刻でないデメリットについて整理します。「聞いていたより怖くない」という経験者の声がなぜ多いのかも、ここを読めば理解できるはずです。

家族の信用情報には原則影響しない

「債務整理をしたら家族もブラックリストになる」という誤解は非常に根強いですが、これは事実ではありません。信用情報は個人ごとに独立して管理されており、本人の手続きが配偶者・親・子・兄弟の信用情報に影響することはありません。

配偶者が住宅ローンを申し込んでいる最中であっても、配偶者自身の信用情報に傷がついているわけではないので、本人の債務整理が直接の否決理由になることはありません。ただし、夫婦合算で収入審査をしている場合などは、手続き後の世帯収入変化が影響する可能性はあります。

この「ファミリーブラック」と呼ばれる概念は、もともと誤解から広まったものです。信用情報機関に問い合わせれば、本人の記録と家族の記録は別々に管理されていることが確認できます。「家族に迷惑をかけたくない」という思いで手続きをためらっているなら、その不安は解消して問題ありません。

なお、家族が保証人になっている場合は、その保証人への請求という形で間接的な影響が生じます。これは信用情報の問題ではなく、保証契約の内容によるものです。

職場・会社への通知は原則ない(任意整理の場合)

任意整理では、裁判所を通じた手続きではないため、会社への通知は一切ありません。弁護士・司法書士が貸金業者と直接交渉を行うだけですので、勤務先に知られることはまずありません。

個人再生・自己破産でも、裁判所から職場に通知が届くことはありません。ただし、前述のとおり給与差し押さえが先に行われていた場合は、差し押さえの解除通知が会社に届くことがあります。また、管財事件の場合、財産調査の過程で退職金の見込み額を確認する書類を会社に送ることがあります。この点が気になる場合は、弁護士に事前に確認しておくとよいでしょう。

職場に知られる可能性は限定的です。ただし、差し押さえが来る前に手続きに着手することが、最も確実な対策といえます。延滞が続いているなら、早めに弁護士に相談することで差し押さえを未然に防ぎ、職場への影響を避けられる可能性が高まります。

経験者の77%が「後悔していない」という現実

債務整理を実際に経験した方のデータも参考になります。法務省が実施した調査では、個人再生・自己破産の経験者の多くが「手続きをしてよかった」と回答していることが示されています。借金問題を抱えていた期間の精神的な負担が解消されたという声が多く、「もっと早く相談すればよかった」という意見も目立ちます。

また、日本弁護士連合会の調査データでも、債務整理後に生活が改善したと感じる方が多数を占める結果が報告されています。デメリットを実感しながらも、それを上回る生活の改善があったと評価している経験者が多いことがわかります。

よく聞かれる声として、「手続き前は毎月の返済が怖くて眠れなかったが、手続き後は精神的に楽になった」「デメリットよりもメリットの方がずっと大きかった」というものがあります。借金問題が続く期間の精神的・身体的なダメージは、ブラックリストというデメリット以上に生活への打撃が大きいことが少なくありません。

後悔しないためにも、デメリットを正確に理解したうえで手続きを選ぶことが大切です。誤った情報に基づいて怖がるより、正確な情報をもとに判断する方が、結果として後悔しない選択につながります。

ブラックリスト期間中の生活対処法

信用情報への登録期間中は、クレジットカードや各種ローンを利用しにくくなります。ただし、日常生活を送るための代替手段は十分に存在します。具体的な対処法を知っておけば、生活への支障を最小限に抑えられます。

クレジットカードの代替手段(デビットカード・プリペイド)

クレジットカードが使えなくても、カード払いの代替手段はあります。

一つ目はデビットカードです。銀行口座と連動したカードで、支払い時に口座残高から即時引き落としされます。VISAデビットやJCBデビットといった国際ブランド付きのものであれば、オンラインショッピングや公共料金の支払いにも使えます。ネット通販・サブスクリプションサービス・ホテルの予約なども、クレジットカードとほぼ同様に利用できます。楽天銀行・住信SBIネット銀行・ゆうちょ銀行などが発行するデビットカードは、口座開設と同時に取得できる場合が多く、申し込みのハードルも低いです。

二つ目はプリペイドカードです。事前にチャージして使うタイプのカードで、Visaプリペやdカードプリペイドなどが広く利用されています。残高の範囲内でしか使えないため使いすぎを防げるというメリットもあります。コンビニでチャージできるものも多く、手軽に利用を始められます。

スマートフォン決済(PayPay・楽天ペイ・d払いなど)も活用できます。銀行口座やコンビニでのチャージが可能で、信用情報とは無関係に利用できます。コンビニ・スーパー・飲食店など利用できる場所も年々広がっており、日常のほとんどの支払いをスマートフォン決済でまかなえる環境が整っています。

「カードが使えない=不便な生活を強いられる」という時代は、キャッシュレス決済手段が多様化した現代では過去のものになりつつあります。

賃貸・携帯・公共料金への影響と対策

賃貸住宅の契約では、保証会社の審査が信用情報を参照する場合があります。信販系保証会社(オリコ・ジャックスなど)はCICを照会するため、ブラックリスト期間中は審査が通りにくくなります。

対策としては、信販系以外の保証会社を使う賃貸物件を選ぶことが有効です。独立系保証会社(日本セーフティー・全国保証など)は信用情報機関への照会をしないか、照会先が異なることがあります。また、公営住宅(都営・市営・県営)は信用情報の審査がないため、選択肢として検討できます。不動産会社に「信用情報を使わない保証会社を使っている物件を探してほしい」と率直に伝えると、対応してもらえることが多いです。

携帯電話については、端末の分割払い購入は審査が通りにくくなりますが、端末を一括購入するか、格安SIMの月額プランのみの契約であれば、信用情報の照会なしで利用できます。現在使用中の携帯契約については、利用料を滞納していなければ解約を求められることはありません。手続き後も今の携帯をそのまま使い続けられます。

公共料金(電気・ガス・水道)は信用情報と無関係です。口座振替か現金払いで継続して支払えます。NHK受信料も同様です。インターネット回線についても、回線契約自体は信用情報とは無関係なものが多く、通常どおり契約・継続できます。

影響が出る場面は限られており、事前に対策を知っておけば生活に大きな支障が出ることはありません。

自分に合った手続きを選ぶための判断基準

デメリットを正確に把握したところで、次は「自分にはどの手続きが向いているか」を考えましょう。借金の総額・収入・財産・保証人の有無などによって、適切な手続きは異なります。

状況別の手続き選択チャート(収入・財産・保証人の有無)

まず、大まかな判断軸を整理します。

任意整理が向いているケース

・借金の総額が比較的少なく(目安として200〜300万円以下)、返済余力がある
・特定の業者だけを整理したい(保証人付きの借金を対象から外したい)
・裁判所を通じた手続きをできるだけ避けたい
・住宅ローンの支払いに影響を出したくない
・会社員として安定した収入があり、毎月一定額の返済が継続できる

個人再生が向いているケース

・借金が多額(300万円以上)だが、継続的な収入がある
・持ち家を手放したくない(住宅ローン特則の利用)
・財産があるため自己破産では処分対象になるが、個人再生なら手続き可能
・自己破産の職業制限が問題になる職種に就いている
・将来的に再度ローンを組む可能性があり、できるだけ登録期間を短くしたい

自己破産が向いているケース

・借金が非常に多額で、個人再生での返済も困難
・収入がないか、返済に充てられる余力がほぼない
・財産がほとんどなく、処分されるものが少ない
・早期に借金をゼロにして生活再建を急ぎたい
・職業制限に該当しない職業に就いている、または無職の状態にある

複数の手続きが選択肢になる場合は、弁護士・司法書士に相談して最終判断をするのが確実です。状況を正確に伝えれば、適切な手続きを提案してもらえます。「自分ではどの手続きが向いているかわからない」という段階でも相談できますので、まずは話を聞いてもらうところから始めて構いません。

手続き費用の目安(任意整理1社5万円〜・自己破産50万円〜)

手続きにかかる費用の目安も把握しておきましょう。費用は依頼する弁護士・司法書士の事務所によって異なりますが、一般的な相場は以下のとおりです。

任意整理

・弁護士費用の目安:1社あたり3〜8万円程度(着手金+報酬金)
・借入先が3社あれば15〜25万円程度の総費用となる場合が多い
・裁判所費用は不要

個人再生

・弁護士費用の目安:30〜60万円程度
・裁判所への予納金:1〜3万円程度(同時廃止の場合)
・管財人報酬が別途発生する場合あり

自己破産

・弁護士費用の目安:30〜70万円程度
・裁判所への予納金:少額管財事件で20万円程度
・財産があって通常管財事件になる場合は管財人報酬が加算される

費用が用意できない場合は、弁護士・司法書士に分割払いで依頼できる場合がほとんどです。弁護士・司法書士が受任した時点から貸金業者への返済が止まるため、それまでの返済額を費用の積み立てに回せることが多くあります。手続きを依頼してから費用を積み立て、積み立てが完了してから申立てをするという流れが一般的です。

また、法テラス(日本司法支援センター)を通じれば、収入が少ない場合に立替払い制度を利用できます。審査がありますが、収入基準を満たせば弁護士費用を立て替えてもらい、月々1万円程度から分割で返済する仕組みです。費用が障壁になって手続きを先送りする必要はありません。

まとめ|デメリットを正確に知ることが後悔しない判断につながる

債務整理のデメリットについて、手続き別に詳しく解説してきました。最後にポイントを整理します。

・ブラックリスト(信用情報への事故登録)はすべての手続きに共通するデメリットだが、登録期間は5〜10年であり、その後はリセットされる
・家族の信用情報への影響は原則ない。職場への通知も原則ない
・任意整理のデメリットは「元本が減らない」「収入がないと難しい」という点。一方で裁判所を通じず、整理対象を選べる柔軟性がある
・個人再生のデメリットは「官報掲載」「手続き費用が高い」「すべての債務が対象」という点。一方でマイホームを手放さずに借金を大幅に圧縮できる
・自己破産のデメリットは「財産の処分(20万円超が目安)」「手続き中の職業制限」という点。ただし職業制限は手続き期間中だけで、免責後は解除される
・借金を放置し続けることは、差し押さえや延滞損害金の増加など、債務整理以上のリスクを生む
・手続き中もデビットカード・プリペイドカード・スマートフォン決済で日常生活は送れる
・費用が心配な場合は分割払いや法テラスの立替払い制度を活用できる

次にとるべき行動は、弁護士か司法書士に無料相談の予約を入れることです。ほとんどの弁護士事務所・司法書士事務所では初回相談が無料で、電話・オンラインでも対応しています。まず現状を話すだけでよく、その場で手続きが決まるわけでも、依頼が確定するわけでもありません。何も決まらなくても、現状の整理と疑問の解消だけでも十分な収穫になります。

「怖い」「恥ずかしい」という気持ちはよくわかります。それでも、正確な情報を持たないまま先送りを続けることが、最終的に一番の後悔につながります。一歩踏み出した多くの方が、「もっと早く相談すればよかった」と口にします。デメリットを正確に知ったいま、その一歩を踏み出してみてください。

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