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社会保険給付金と失業保険の違いは?併用や切り替えのタイミングを解説

退職を考えているとき、退職後の生活費について不安を感じる方は多いでしょう。退職後に受け取れるお金として、社会保険給付金と失業保険がありますが、この2つの制度の違いを正しく理解している人は意外と少ないのが現状です。

社会保険給付金と失業保険は、どちらも退職後の生活を支える大切な制度ですが、目的も受給条件も大きく異なります。また、健康保険の「傷病手当金(や出産手当金)」と、雇用保険の「基本手当(いわゆる失業保険)」は、原則として同一期間に同時受給できません。そのため、どちらを優先すべきか、どのタイミングで切り替えるべきかを知っておくことが重要です。

この記事では、社会保険給付金と失業保険の違いから、併用の可否、切り替えのタイミング、定年退職時の取り扱いまで、退職前後に知っておきたい情報を詳しく解説していきます。

目次

社会保険給付金と失業保険の違いとは?基本を理解しよう

社会保険給付金と失業保険は、どちらも退職後の生活を支える制度ですが、その目的や仕組みは根本的に異なります。ここでは、2つの制度の基本的な違いを理解していきましょう。

社会保険給付金とは何か

社会保険給付金とは、健康保険や厚生年金保険などの社会保険制度から支給される給付金の総称です。代表的なものに、病気やケガで働けなくなったときに受け取れる傷病手当金、出産時に受け取れる出産手当金などがあります。

これらの給付金は、働けない状態になったときに生活を支えることを目的としています。特に傷病手当金は、病気やケガで仕事を休んでいる間、給料の約3分の2相当額を最長1年6ヶ月間受け取ることができる制度です。

社会保険給付金は、在職中から受給することができ、条件を満たせば退職後も継続して受け取ることが可能です。受給するためには、協会けんぽや健康保険組合などの保険者に申請する必要があります。

重要なのは、社会保険給付金を受け取るためには、病気やケガなどで「働けない状態」にあることが前提条件となる点です。このため、求職活動ができる健康状態では、傷病手当金を受け取ることはできません。

失業保険とは何か

失業保険は、正式には「雇用保険の基本手当」と呼ばれる制度です。退職後に次の仕事を探している間、一定期間にわたって生活費の一部を支給してもらえる制度となっています。

失業保険は、働く意思と能力がある人が、仕事を探している間の生活を支えることを目的としています。そのため、受給するためには「すぐにでも働ける健康状態」にあることが条件となります。

失業保険を受け取るためには、ハローワークで求職申込を行い、定期的に求職活動の実績を報告する必要があります。給付日数は、退職理由や年齢、雇用保険の加入期間などによって90日から330日まで幅があります。

失業保険の受給額は、退職前6ヶ月間の給料をもとに計算され、おおむね給料の50%から80%程度となります。基本手当日額には上限額が設定されており、2025年8月1日以降の上限(基本手当日額)は、29歳以下:7,255円/30〜44歳:8,055円/45〜59歳:8,870円/60〜64歳:7,623円です(改定は毎年あり)。

給付目的の違い

社会保険給付金と失業保険の最も大きな違いは、その給付目的にあります。社会保険給付金の傷病手当金は、病気やケガで働けない人の生活を支えるための制度です。一方、失業保険は、働く意思と能力がある人が仕事を探す間の生活を支える制度となっています。

つまり、傷病手当金は「働けない人」のための制度、失業保険は「働ける人」のための制度という明確な違いがあります。この違いが、2つの制度を同時に受け取れない理由にもなっています。

傷病手当金を受け取っている間は、医師の診断により「労務不能」と判断されている状態です。この状態では、ハローワークで求職活動をすることができないため、失業保険の受給条件を満たしません。

逆に、失業保険を受け取るためには「いつでも働ける健康状態」である必要があります。病気やケガで働けない状態では、失業保険の受給資格がないため、この場合は傷病手当金を選択することになります。

受給条件の違い

社会保険給付金の傷病手当金を受け取るためには、まず健康保険に加入していることが前提となります。具体的には、連続する3日間の待期期間を含め、4日以上仕事を休んでいること、病気やケガで働けないことを医師が証明していることが条件です。

退職後も傷病手当金を継続して受け取るためには、退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していたこと、退職日に出勤していないこと、退職日の前日までに傷病手当金を受給しているか受給できる条件を満たしていることが必要です。

一方、失業保険を受け取るためには、離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あることが基本条件です。ただし、会社都合退職の場合は、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば受給できます。

さらに失業保険では、働く意思と能力があること、積極的に求職活動を行っていることが必須条件となります。病気やケガ、妊娠・出産などで働けない状態では、失業保険を受け取ることができません。この場合は、受給期間の延長申請を行う必要があります。

給付期間と金額の違い

傷病手当金の給付期間は、支給開始日から通算して1年6ヶ月間です。以前は暦の上で1年6ヶ月でしたが、2022年1月の制度改正により、実際に受給した日数を通算する方式に変更されました。これにより、途中で職場復帰した期間があっても、実際に受給できる期間が延びることになりました。

傷病手当金の支給額は、標準報酬日額の3分の2相当額となります。標準報酬日額は、退職前の給料をもとに計算されるため、おおむね給料の約3分の2を受け取れることになります。

一方、失業保険の給付日数は、退職理由や年齢、雇用保険の加入期間によって異なります。自己都合退職の場合は90日から150日、会社都合退職の場合は90日から330日と幅があります。年齢が高く、雇用保険の加入期間が長いほど、給付日数は多くなる傾向があります。

失業保険の基本手当日額は、退職前6ヶ月間の給料をもとに計算され、給料の50%から80%程度となります。給料が低かった人ほど給付率が高くなる仕組みで、上限額も設定されています。給付日数と基本手当日額を掛け合わせた金額が、受け取れる失業保険の総額となります。


社会保険給付金制度とは?退職後に受け取れる傷病手当金を解説

社会保険給付金制度の中でも、退職と関わりが深いのが傷病手当金です。ここでは、傷病手当金の仕組みや受給条件、申請方法について詳しく見ていきましょう。

社会保険給付金制度の仕組み

社会保険給付金制度は、健康保険法に基づいて運営されている制度です。会社員や公務員が加入する健康保険には、医療費の補助だけでなく、病気やケガで働けなくなったときの所得保障という役割もあります。

傷病手当金は、この所得保障の一環として支給される給付金です。在職中に病気やケガで働けなくなった場合、給料が支払われない期間について、健康保険から給付金が支給される仕組みとなっています。

退職後も条件を満たすれば、最長1年6ヶ月間にわたって傷病手当金を受け取り続けることができます。これは、退職によって健康保険の資格を失った後も、傷病手当金の受給権は継続するという制度上の特徴によるものです。

ただし、国民健康保険には傷病手当金の制度がありません。そのため、会社員から自営業者になった場合や、扶養に入らずに国民健康保険に加入した場合は、新たに傷病手当金を受給することはできません。退職前から受給していた分のみ継続されます。

傷病手当金の受給条件

傷病手当金を受け取るためには、4つの条件をすべて満たす必要があります。まず1つ目は、業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であることです。業務上の病気やケガの場合は、労災保険の対象となるため、傷病手当金は支給されません。

2つ目の条件は、仕事に就くことができないことです。これは、医師の意見書などで「労務不能」と判断される必要があります。自己判断ではなく、医師の診断に基づいて判断されます。

3つ目は、連続する3日間を含む4日以上仕事を休んでいることです。最初の3日間は「待期期間」と呼ばれ、この期間は給付の対象になりません。4日目から傷病手当金が支給される仕組みです。

4つ目の条件は、休業した期間について給与の支払いがないことです。有給休暇を使用した場合や、給料が一部でも支払われている場合は、その分だけ傷病手当金が減額されるか、支給されません。無給の休業期間のみが傷病手当金の支給対象となります。

協会けんぽでの申請方法

傷病手当金を受け取るためには、協会けんぽや健康保険組合に申請書を提出する必要があります。協会けんぽの場合、「健康保険傷病手当金支給申請書」という専用の書類を使用します。この申請書は、協会けんぽのホームページからダウンロードできます。

申請書には、本人が記入する部分、事業主が記入する部分、医師が記入する部分の3つがあります。本人記入欄には、病気やケガの状況、休業期間、振込先口座などを記入します。事業主記入欄では、勤務状況や給料の支払い状況を会社に記入してもらいます。

医師記入欄は、「療養担当者意見書」として、主治医に記入してもらう必要があります。病名、初診日、労務不能と認めた期間などを医師に証明してもらいます。この意見書の作成には、数千円の文書料がかかることが一般的です。

申請書の提出は、1ヶ月ごとや2ヶ月ごとなど、まとめて行うことができます。退職後の申請については、事業主記入欄は退職した会社に記入してもらうか、退職証明書などで代用することも可能です。申請から支給までは、通常2週間から1ヶ月程度かかります。

退職後も継続して受け取れる条件

退職後も傷病手当金を継続して受け取るためには、いくつかの重要な条件があります。最も重要なのは、退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していたことです。この「1年以上」は、同じ健康保険組合や協会けんぽでなくても、別の会社の健康保険期間を通算することができます。

次に重要なのが、退職日当日の取り扱いです。退職日に出勤してしまうと、その時点で「労務可能」と判断され、退職後の傷病手当金の受給資格を失ってしまいます。退職日は必ず休業しているか、有給休暇を使用する必要があります。

さらに、退職日の前日までに傷病手当金を実際に受給しているか、受給できる条件を満たしていることが必要です。つまり、在職中に待期期間を完成させ、少なくとも1日分の傷病手当金を受給できる状態になっていることが求められます。

これらの条件を満たせば、退職後に国民健康保険に切り替わっても、あるいは家族の扶養に入っても、傷病手当金を継続して受け取ることができます。ただし、退職後に別の会社に就職して新しい健康保険に加入した場合は、傷病手当金の支給は打ち切られます。

受給できる金額と期間

傷病手当金の支給額は、「標準報酬日額の3分の2」と決められています。標準報酬日額とは、毎月の給料から計算される標準報酬月額を30で割った金額です。例えば、標準報酬月額が30万円の場合、標準報酬日額は1万円、傷病手当金の支給日額は約6,667円となります。

この金額は、おおむね給料の手取り額と同程度になるように設定されています。給料からは社会保険料や税金が引かれるため、額面の3分の2でも手取りとあまり変わらない金額になることが多いです。

支給期間については、2022年1月の制度改正により、「支給開始日から通算して1年6ヶ月」となりました。以前は暦の上で1年6ヶ月だったため、途中で復職した期間も含まれていましたが、現在は実際に傷病手当金を受給した日数を通算する方式に変更されています。

例えば、6ヶ月間受給した後に3ヶ月間復職し、再び休業した場合、残りの1年間分を引き続き受給できます。通算で1年6ヶ月分の受給が保障されるため、断続的に休業と復職を繰り返す場合でも、フルに受給できるようになりました。ただし、支給開始日から5年を経過すると時効となり、それ以降は受給できません。


失業保険とは?退職後の生活を支える制度の仕組み

失業保険は、退職後の生活を支える重要な制度です。ここでは、失業保険の正式な名称から、受給の流れ、給付額の計算方法まで、詳しく解説していきます。

失業保険の正式名称と目的

一般的に「失業保険」と呼ばれていますが、正式には「雇用保険の基本手当」という名称です。雇用保険は、労働者が失業した場合に必要な給付を行い、生活の安定と再就職の促進を図ることを目的とした保険制度です。

失業保険の目的は、単にお金を支給することだけではありません。求職活動を支援し、できるだけ早く再就職できるようサポートすることも重要な目的となっています。そのため、受給するためには定期的な求職活動の実績が求められます。

失業保険は、働く意思と能力がある人が積極的に求職活動を行うことを前提とした制度です。病気やケガで働けない場合、妊娠・出産・育児などですぐには働けない場合は、受給期間の延長申請を行う必要があります。

また、失業保険には基本手当以外にも、再就職手当や就業促進定着手当、教育訓練給付金など、さまざまな給付制度があります。これらを活用することで、より効果的に再就職活動を進めることができます。

ハローワークでの手続き方法

失業保険を受け取るためには、まずハローワークで求職申込を行う必要があります。退職後、できるだけ早くハローワークに行き、求職申込と雇用保険の受給手続きを行います。手続きには、離職票、マイナンバーカード、写真、本人名義の預金通帳などが必要です。

求職申込を行うと、雇用保険受給説明会への参加日が指定されます。この説明会に参加すると、雇用保険受給資格者証が交付され、第1回目の失業認定日が通知されます。説明会では、失業保険の受給方法や求職活動の進め方について詳しい説明があります。

その後は、4週間に1回のペースで失業認定日にハローワークに行き、求職活動の実績を報告します。認定を受けると、通常5営業日程度で指定した口座に基本手当が振り込まれます。この手続きを、給付日数分が支給されるまで繰り返します。

求職活動の実績としては、ハローワークでの職業相談、求人への応募、民間職業紹介所の利用、各種セミナーへの参加などが認められます。原則として、認定対象期間中に2回以上の求職活動実績が必要です(最初の認定日は原則1回以上)。インターネットでの求人検索だけでは、実績として認められないので注意が必要です。

受給資格の条件

失業保険を受け取るためには、離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あることが基本条件です。被保険者期間は、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月を1ヶ月として計算します。

ただし、倒産や解雇などの会社都合退職の場合は、条件が緩和されます。離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば受給資格が得られます。これは、本人の都合ではなく会社の事情で退職を余儀なくされた人への配慮です。

さらに、失業の状態にあることが必須条件となります。失業の状態とは、働く意思と能力があるにもかかわらず、仕事に就くことができない状態を指します。病気やケガ、妊娠・出産などですぐに働けない場合は、失業の状態とは認められません。

また、就職活動を行っていることも条件です。ハローワークに求職申込を行い、積極的に求職活動を行っている必要があります。自営業の準備をしている場合や、家業に従事している場合なども、失業の状態とは認められないため、失業保険を受け取ることはできません。

給付日数と金額の計算方法

失業保険の給付日数は、退職理由、年齢、雇用保険の加入期間によって決まります。自己都合退職の場合、被保険者期間が10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日となります。年齢による違いはありません。

会社都合退職の場合は、給付日数が大幅に増えます。例えば、45歳以上60歳未満で被保険者期間が20年以上の場合、給付日数は330日となります。同じ条件の自己都合退職が150日ですので、2倍以上の差があります。

基本手当日額は、退職前6ヶ月間の給料をもとに計算されます。具体的には、賃金日額(退職前6ヶ月間の給料の総額を180で割った金額)に、給付率(50%から80%)を掛けた金額です。賃金日額が低いほど給付率は高くなり、高いほど給付率は低くなる仕組みです。

基本手当日額には上限額が設定されています。2025年8月現在、60歳未満の上限は6,945円、60歳以上65歳未満の上限は6,335円です。したがって、どんなに高給取りだった人でも、受け取れる1日あたりの金額には上限があります。給付日数と基本手当日額を掛け合わせた金額が、受け取れる失業保険の総額となります。

自己都合退職と会社都合退職の違い

自己都合退職と会社都合退職では、失業保険の取り扱いに大きな違いがあります。最も大きな違いは、給付制限期間の有無です。自己都合退職(正当な理由がない自己都合)の場合、待期期間(7日間)に加えて給付制限期間があり、離職日が2025年3月31日以前は原則2か月、2025年4月1日以降は原則1か月です(一定期間内に繰り返した場合等は別途扱いあり)。

一方、会社都合退職の場合は、給付制限期間がありません。待期期間の7日間が経過すれば、すぐに失業保険の支給が始まります。急な失業で生活に困る可能性が高い人への配慮として、早期に給付が開始される仕組みです。

給付日数も大きく異なります。前述の通り、会社都合退職の場合は、年齢と被保険者期間に応じて90日から330日まで給付されます。特に45歳以上で被保険者期間が長い場合は、給付日数が大幅に増加します。

退職理由は離職票に記載され、ハローワークで確認されます。会社側が自己都合として離職票を作成しても、実際には解雇やパワハラなどで退職を余儀なくされた場合は、ハローワークで異議を申し立てることができます。ハローワークが調査を行い、会社都合と認定されれば、会社都合退職としての失業保険を受け取ることが可能になります。


社会保険給付金と失業保険の併用は可能?同時受給のルール

社会保険給付金と失業保険は、どちらも退職後の生活を支える大切な制度ですが、同時に受け取ることができるのでしょうか。ここでは、併用の可否とそのルールについて詳しく解説します。

原則として同時受給はできない

結論から言うと、傷病手当金と失業保険を同時に受け取ることは原則としてできません。これは、2つの制度の目的が根本的に異なることが理由です。傷病手当金は病気やケガで働けない人のための制度であり、失業保険は働ける人が仕事を探すための制度だからです。

傷病手当金を受給している間は、医師により「労務不能」と診断されている状態です。この状態では、ハローワークで求職活動を行うことができないため、失業保険の受給条件である「働く意思と能力がある」という要件を満たしません。

逆に、失業保険を受給するためには、いつでも就職できる健康状態である必要があります。病気やケガで働けない状態であれば、失業保険の受給資格がないため、この場合は傷病手当金を選択することになります。

この原則は、公的な社会保障制度の二重受給を防ぐという意味もあります。同じ期間について、複数の制度から給付金を受け取ることは、制度の趣旨に反するため認められていません。

傷病手当金受給中は失業保険を受け取れない理由

傷病手当金を受給している間に失業保険を受け取れない理由は、労働能力の有無にあります。傷病手当金の受給要件には、「療養のため労務に服することができない」という条件が含まれています。医師の診断書により、働けない状態であることが証明されています。

一方、失業保険の受給要件には、「就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない状態」という条件があります。つまり、健康で働ける状態であることが前提となっています。

この2つの条件は、明らかに矛盾しています。「働けない状態」と「働ける状態」を同時に満たすことは不可能です。そのため、どちらか一方しか受け取ることができない仕組みになっています。

もし傷病手当金を受給中に失業保険の受給手続きを行おうとしても、ハローワークで健康状態を確認され、働けない状態であることが判明すれば、失業保険の受給資格は認められません。逆に、健康状態が回復して働けるようになれば、その時点で傷病手当金の受給資格を失うことになります。

どちらを優先すべきか

傷病手当金と失業保険のどちらを優先すべきかは、自分の健康状態と今後の予定によって判断する必要があります。病気やケガで当面働けない状態であれば、まず傷病手当金を受給することが適切です。治療に専念し、健康を回復させることが最優先となります。

傷病手当金の受給期間は通算で最長1年6ヶ月と、失業保険よりも長期間にわたって受給できる可能性があります。また、受給中に求職活動をする必要がないため、療養に集中できるというメリットもあります。

一方、健康状態が良好で、すぐにでも働ける状態であれば、失業保険を選択すべきです。特に会社都合退職の場合は、給付制限期間がなく、給付日数も多いため、早期に再就職活動を始められるメリットがあります。

多くの場合、傷病手当金を受給してから失業保険に切り替えるパターンが有利になります。病気やケガが治って働けるようになったタイミングで、失業保険に切り替えれば、トータルでより長期間の給付を受けられる可能性が高いからです。ただし、失業保険の受給期間延長申請を忘れずに行う必要があります。

併用できる例外的なケース

原則として傷病手当金と失業保険は同時受給できませんが、実務上、受給時期が重なるケースが一部存在します。それは、傷病手当金の支給決定と実際の振込にタイムラグがある場合です。例えば、3月分の傷病手当金を4月に申請し、5月に振り込まれるような場合です。

この場合、4月中に病気が治って失業保険の受給を開始したとしても、5月に3月分の傷病手当金が振り込まれることがあります。これは時期的に重なっているだけで、実質的には同じ期間の二重受給ではありません。対象となる期間が異なるため、問題はありません。

ただし、この場合でも正直に申告することが重要です。ハローワークでの失業認定の際に、過去に傷病手当金を受給していたことを伝え、現在は健康状態が回復していることを説明する必要があります。

また、傷病手当金を受給した後、一度就職してから再び退職した場合は、前回の傷病手当金受給とは完全に切り離されるため、新たに失業保険を受給することができます。これは併用ではなく、時期を分けた別々の受給となります。


退職前に知っておきたい社会保険給付金制度の申請条件

退職後に傷病手当金を受け取るためには、退職前の準備が非常に重要です。ここでは、退職前に知っておくべき申請条件と注意点について解説します。

退職前に準備すべきこと

退職後も傷病手当金を継続して受け取るためには、退職前に必ず押さえておくべきポイントがあります。まず最も重要なのは、退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していることを確認することです。転職歴がある場合は、前の会社の健康保険期間と通算できます。

次に、退職日の前日までに傷病手当金を受給しているか、受給できる条件を満たしていることが必要です。つまり、在職中に病気やケガで休業し、待期期間(連続3日間)を完成させておく必要があります。退職してから病気になった場合は、退職後の傷病手当金は受け取れません。

会社に対しては、傷病手当金を受給していることや受給予定であることを伝えておくことが望ましいです。退職後の申請書には、会社に記入してもらう欄があるため、円滑に手続きを進めるためにも事前の連絡が重要です。

また、主治医とも退職後の治療計画や労務不能の見込み期間について相談しておきましょう。退職後も定期的に医師の意見書が必要になるため、継続して受診できる体制を整えておくことが大切です。

在職中から傷病手当金を受給している場合

在職中からすでに傷病手当金を受給している場合は、退職後も比較的スムーズに継続受給できます。すでに待期期間は完成しており、労務不能の状態が継続していることが証明されているからです。

ただし、退職日の取り扱いには特に注意が必要です。退職日当日に出勤してしまうと、その時点で労務可能と判断され、退職後の傷病手当金の受給資格を失ってしまいます。退職日は必ず休業するか、有給休暇を使用する必要があります。

在職中に受給していた傷病手当金の金額は、退職後も同じ金額が継続されます。退職によって給料が下がることはありませんので、安心して療養を続けることができます。ただし、支給期間は通算で1年6ヶ月までという制限があります。

退職後の申請手続きは、基本的に在職中と同じです。ただし、事業主記入欄については、退職した会社に依頼するか、退職証明書などで代用することになります。会社との関係が良好であれば、退職後も協力してもらえる場合が多いです。

退職日の働き方に関する注意点

退職日の働き方は、退職後の傷病手当金受給に大きく影響します。最も重要なポイントは、退職日当日は絶対に出勤してはいけないということです。退職日に出勤すると、その日は労務可能だったと判断され、退職後の傷病手当金受給資格を失います。

退職日に出勤しないようにするためには、いくつかの方法があります。最も確実なのは、退職日を含めて休業を継続することです。病気やケガで休んでいる状態のまま退職すれば、問題なく受給資格を維持できます。

あるいは、退職日に有給休暇を使用する方法もあります。有給休暇は労務を提供していない状態ですので、出勤扱いにはなりません。ただし、有給休暇を使用した日は給料が支払われるため、その日の傷病手当金は支給されないか、調整されます。

退職日の前日までは、必要に応じて出勤することは可能です。例えば、退職の挨拶や引き継ぎのために短時間出勤することは問題ありません。重要なのは、最終日である退職日当日に出勤しないことです。この点を必ず覚えておきましょう。

健康保険の加入期間要件

退職後も傷病手当金を受け取るための最も基本的な条件が、健康保険の加入期間要件です。退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していることが必須条件となります。この「継続して」という言葉の意味を正しく理解することが重要です。

「継続して」とは、健康保険の資格に1日も空白期間がないことを意味します。例えば、A社で10ヶ月勤務した後、退職日の翌日にB社に入社して2ヶ月勤務した場合、合計12ヶ月でも「継続して」にはなりません。この場合、B社退職後に傷病手当金を受け取ることはできません。

ただし、同じ保険者(協会けんぽや健康保険組合)である必要はありません。A社では協会けんぽ、B社では健康保険組合だったとしても、資格に空白がなければ通算できます。転職時に1日でも国民健康保険期間が入ると、その時点で継続性が途切れてしまうので注意が必要です。

加入期間が1年未満の場合は、退職日の前日までに受給していた傷病手当金も、退職時点で打ち切られます。退職後の継続受給はできませんので、転職を考えている場合は、このタイミングに十分注意しましょう。

医師の診断書が必要な理由

傷病手当金を受給するためには、医師による労務不能の証明が必須です。これは、給付金の不正受給を防ぐとともに、本当に働けない状態にある人を保護するための仕組みです。自己判断で「働けない」と主張しても、医師の証明がなければ傷病手当金は支給されません。

医師の診断書は、傷病手当金支給申請書の「療養担当者意見書」という欄に記入してもらいます。ここには、病名、初診日、労務不能と認めた期間、今後の見通しなどが記載されます。この意見書が、傷病手当金支給の根拠となります。

医師の意見書は、申請する期間ごとに必要です。1ヶ月分の傷病手当金を申請する場合は、その1ヶ月間について労務不能であったことを医師に証明してもらう必要があります。そのため、定期的に受診し、医師に状態を診てもらうことが重要です。

意見書の作成には、通常数千円の文書料がかかります。これは保険適用外のため、全額自己負担となります。しかし、傷病手当金を受け取るためには必要な費用ですので、定期的な受診と意見書の作成を続けることが大切です。医師との良好な関係を保ち、正確な診断と証明を受けられるようにしましょう。


退職後に社会保険給付金を受け取る流れ|協会けんぽとハローワークでの手続き

退職後に傷病手当金を受け取るための具体的な手続きの流れを、ステップごとに詳しく見ていきましょう。

協会けんぽでの傷病手当金申請手続き

退職後の傷病手当金申請は、在職中と基本的に同じ流れで行います。まず、協会けんぽのホームページから「健康保険傷病手当金支給申請書」をダウンロードするか、協会けんぽの支部から郵送してもらいます。申請書は、1ヶ月分や2ヶ月分などまとめて申請することが可能です。

申請書には、被保険者(本人)記入欄、事業主記入欄、療養担当者(医師)記入欄の3つがあります。まず本人記入欄に、基本情報、病名、休業期間、振込先口座などを記入します。退職後の申請であることを明記する欄もありますので、忘れずに記入しましょう。

事業主記入欄は、退職した会社に記入を依頼します。退職後でも、元の会社に協力を求めることができます。ただし、会社との関係が悪化している場合などは、退職証明書や離職票のコピーで代用できる場合もあります。協会けんぽに事前に確認すると良いでしょう。

療養担当者記入欄は、主治医に記入してもらいます。定期的に受診し、労務不能の状態が継続していることを診断してもらう必要があります。すべての欄が記入された申請書を、協会けんぽの支部に郵送すれば、手続きは完了です。不備がなければ、2週間から1ヶ月程度で指定口座に振り込まれます。

必要書類の準備

退職後の傷病手当金申請には、いくつかの書類が必要です。まず必須となるのが、傷病手当金支給申請書です。これは毎回の申請に必要となります。申請書には、医師の意見書が含まれているため、受診のたびに医師に記入してもらう必要があります。

退職したことを証明する書類も必要な場合があります。退職証明書や離職票のコピーなどがこれにあたります。特に、事業主記入欄を会社に記入してもらえない場合は、これらの書類で退職の事実と退職日を証明します。

振込先の口座情報も必要です。本人名義の銀行口座の通帳またはキャッシュカードのコピーを添付します。初回の申請時には必ず必要ですが、2回目以降は口座が変わらない限り省略できる場合があります。

また、健康保険の資格喪失証明書が必要になることもあります。これは、退職によって健康保険の資格を失ったことを証明する書類で、退職した会社から発行してもらいます。協会けんぽによっては、この書類の提出を求められることがあります。必要書類については、申請前に協会けんぽに確認しておくと安心です。

申請から受給までの期間

傷病手当金の申請から実際に給付金が振り込まれるまでには、通常2週間から1ヶ月程度かかります。協会けんぽに申請書が到着してから、内容の審査、支給決定、振込処理という流れで進みます。書類に不備がある場合は、さらに時間がかかることがあります。

申請書の内容に問題がある場合、協会けんぽから連絡が来ます。例えば、医師の意見書の記入漏れ、本人記入欄の記入ミス、事業主証明の不足などがあると、追加の書類提出や訂正を求められます。これらの対応に時間がかかると、振込までの期間が延びてしまいます。

初回の申請時には、審査に時間がかかることがあります。退職後の受給資格があるかどうか、健康保険の加入期間、退職日の状況などを詳しく確認する必要があるからです。2回目以降の申請は、比較的スムーズに処理されることが多いです。

生活費を傷病手当金に頼る場合は、申請のタイミングに注意が必要です。例えば、1ヶ月分をまとめて申請する場合、その月の最終日まで待ってから申請すると、実際の振込は翌月以降になります。生活資金に余裕がない場合は、半月ごとに申請するなど、受給サイクルを工夫することも検討しましょう。

ハローワークでの求職活動との関係

傷病手当金を受給している間は、ハローワークでの求職活動を行うことはできません。傷病手当金は「働けない状態」にある人への給付金であり、求職活動は「働ける状態」であることが前提だからです。この2つは両立しないため、どちらか一方を選択する必要があります。

ただし、病気やケガが治って働けるようになったら、速やかに失業保険への切り替えを検討すべきです。傷病手当金の受給を終了し、ハローワークで求職申込を行い、失業保険の受給手続きを開始します。このタイミングを逃すと、給付金を受け取れない空白期間が生じる可能性があります。

失業保険の受給期間は、原則として退職日の翌日から1年間です。しかし、病気やケガで働けない場合は、受給期間の延長申請を行うことができます。最長で3年間(本来の1年間と合わせて4年間)まで延長できるため、傷病手当金を受給する場合は必ず延長申請を行いましょう。

延長申請は、働けなくなった日から30日経過後に、ハローワークで手続きを行います。申請には、離職票、延長申請書、医師の診断書などが必要です。この手続きを行っておけば、病気が治ったときに失業保険を受給できる権利を保持できます。

受給中の報告義務

傷病手当金を受給している間は、定期的に状況を報告する義務があります。最も重要なのは、就職した場合の報告です。退職後に新しい会社に就職し、新たな健康保険に加入した場合、その時点で傷病手当金の受給資格を失います。速やかに協会けんぽに連絡する必要があります。

また、他の公的給付を受け始めた場合も報告が必要です。例えば、障害年金の受給が決定した場合、傷病手当金との調整が行われます。障害年金の額が傷病手当金より多い場合は、傷病手当金は支給停止となります。逆に少ない場合は、差額が支給されます。

病気やケガの状態が変化した場合も、正確に報告する必要があります。症状が改善して働けるようになった場合は、その時点で受給を終了します。逆に、別の病気やケガが発生した場合は、医師に診断してもらい、申請書に正確に記載します。

虚偽の申請や報告を行うと、不正受給として給付金の返還を求められるだけでなく、場合によっては詐欺罪に問われる可能性もあります。傷病手当金は公的な給付金ですので、正直かつ正確な申請と報告を心がけることが大切です。


傷病手当金と社会保険給付金の違い|退職前後で変わる受給条件

傷病手当金と社会保険給付金の関係、そして退職前後での受給条件の変化について、詳しく見ていきましょう。

傷病手当金は社会保険給付金の一つ

まず理解しておきたいのは、傷病手当金は社会保険給付金の一種であるという点です。社会保険給付金とは、健康保険や厚生年金保険などの社会保険制度から支給される給付金の総称を指します。傷病手当金はその中の一つです。

社会保険給付金には、傷病手当金以外にもさまざまな種類があります。出産時に受け取れる出産手当金や出産育児一時金、高額な医療費がかかったときの高額療養費、死亡時の埋葬料などがあります。これらはすべて健康保険から支給される給付金です。

したがって、「社会保険給付金と傷病手当金の違い」という問いは、正確には「社会保険給付金の中で傷病手当金以外のものと、傷病手当金の違い」という意味になります。一般的には、退職後に受け取れる主な給付金として傷病手当金が注目されているため、このような表現が使われることがあります。

傷病手当金は、社会保険給付金の中でも受給期間が長く、金額も大きい給付金の一つです。最長1年6ヶ月間、給料の約3分の2を受け取れるため、退職後の生活を支える重要な制度となっています。

在職中の傷病手当金受給

在職中に傷病手当金を受給する場合、手続きは比較的シンプルです。会社を通じて申請することが多く、事業主記入欄も会社の担当者がスムーズに記入してくれます。給料の支払い状況なども会社が把握しているため、申請書の作成がスムーズに進みます。

在職中の傷病手当金受給では、有給休暇との関係に注意が必要です。有給休暇を使用した日は給料が支払われるため、その日の分の傷病手当金は支給されません。一方、欠勤扱いで給料が支払われない日のみ、傷病手当金が支給されます。

また、在職中は健康保険料や厚生年金保険料の支払いが継続します。休業していても、これらの保険料は毎月会社から請求されるのが一般的です。傷病手当金からこれらの保険料を支払う必要があるため、手取り額は減少します。

在職中に傷病手当金を受給している場合、そのまま退職後も継続して受け取ることができます。ただし、退職日の取り扱いなど、いくつかの条件を満たす必要があるため、事前に確認しておくことが重要です。

退職後の傷病手当金受給の条件

退職後に傷病手当金を継続して受給するためには、在職中とは異なるいくつかの条件を満たす必要があります。最も重要なのは、退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していたことです。この条件を満たさないと、退職時点で受給資格を失います。

次に重要なのが、退職日の前日までに傷病手当金を受給しているか、受給できる条件を満たしていることです。具体的には、待期期間(連続3日間の休業)を完成させ、少なくとも1日分の傷病手当金を受給できる状態になっている必要があります。

退職日当日に出勤していないことも必須条件です。退職日に出勤すると、その日は労務可能だったと判断され、退職後の受給資格を失います。退職日は必ず休業するか、有給休暇を使用する必要があります。

これらの条件を満たせば、退職後に国民健康保険に切り替わっても、家族の扶養に入っても、傷病手当金を継続して受け取ることができます。ただし、別の会社に就職して新しい健康保険に加入した場合は、その時点で受給資格を失います。

出産手当金など他の社会保険給付金

社会保険給付金には、傷病手当金以外にも退職後に受け取れる給付金があります。代表的なのが出産手当金です。出産手当金は、出産のために仕事を休んだ期間について、給料の約3分の2を受け取れる制度です。

出産手当金も、傷病手当金と同様に退職後の継続受給が可能です。条件は傷病手当金とほぼ同じで、退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していること、退職日に出勤していないことなどが求められます。出産予定日の42日前から出産日の翌日以降56日までの期間が支給対象となります。

出産育児一時金は、出産時に受け取れる給付金で、2023年4月から1児につき50万円が支給されています。これは退職後でも受け取ることができますが、退職日から6ヶ月以内の出産である必要があります。6ヶ月を過ぎると、国民健康保険や家族の健康保険から支給されることになります。

埋葬料は、被保険者が死亡したときに、葬儀を行った家族などに5万円が支給される給付金です。退職後でも、退職日から3ヶ月以内に死亡した場合は、協会けんぽから埋葬料が支給されます。これらの給付金も、社会保険給付金の一部として覚えておくと良いでしょう。


定年退職時の社会保険給付金制度|通常の退職との違いは?

定年退職の場合、通常の退職とは異なる取り扱いになる部分があります。ここでは、定年退職時の社会保険給付金と失業保険について解説します。

定年退職でも傷病手当金は受け取れる

定年退職の場合でも、条件を満たせば傷病手当金を受け取ることができます。定年退職だからといって、傷病手当金の受給に特別な制限があるわけではありません。通常の退職と同じ条件で、退職後も継続して受給することが可能です。

定年退職の場合、多くの人が長年同じ会社に勤めているため、健康保険の加入期間1年以上という条件は自動的に満たしていることが多いです。問題は、定年退職時に病気やケガで休業しているかどうかです。

定年退職日まで元気に勤務していた場合、その後に病気になっても退職後の傷病手当金は受け取れません。在職中から病気やケガで休業しており、待期期間を完成させている必要があります。定年退職が近づいている場合で、体調不良がある場合は、早めに医師の診断を受けることが大切です。

また、定年退職の場合でも退職日に出勤してはいけないというルールは同じです。最終出勤日を定年退職日の前日にして、退職日当日は有給休暇を使用するか休業するなどの対策が必要です。

定年退職時の失業保険の取り扱い

定年退職の場合、失業保険の取り扱いは通常の退職とは異なる部分があります。まず、定年退職は原則として「会社都合退職」に分類されることが多いです。ただし、定年後に継続雇用を希望したかどうかによって、取り扱いが変わることがあります。

定年退職で失業保険を受給する場合、給付日数は年齢と被保険者期間によって決まります。60歳以上65歳未満の場合、被保険者期間が1年以上5年未満で90日、5年以上10年未満で120日、10年以上20年未満で150日、20年以上で240日となります。

定年退職の場合、給付制限期間はありません。待期期間の7日間が経過すれば、すぐに失業保険の支給が始まります。ただし、定年後に再就職の意思がない場合は、失業保険を受け取ることはできません。あくまでも「働く意思と能力がある」ことが条件です。

定年退職後に年金を受給する場合、失業保険と年金の調整が行われます。基本手当を受給している間は、65歳未満の場合、特別支給の老齢厚生年金が全額停止されます。失業保険と年金を同時に受け取ることはできないため、どちらが有利かを計算してから受給を選択する必要があります。

年金受給との関係

定年退職後は、年金の受給が始まる人も多いでしょう。年金と社会保険給付金、失業保険との関係について理解しておくことが重要です。まず、傷病手当金と年金の関係について見ていきましょう。

障害年金を受給している場合、傷病手当金との調整が行われます。障害年金の日額が傷病手当金の日額より多い場合、傷病手当金は支給停止となります。逆に、障害年金の日額が傷病手当金の日額より少ない場合は、差額が傷病手当金として支給されます。

老齢年金(老齢基礎年金や老齢厚生年金)と傷病手当金との間には、原則として調整はありません。両方を同時に受け取ることができます。ただし、厚生年金保険に加入している間は、給料に応じて年金額が減額される在職老齢年金の仕組みがあります。

失業保険と年金の関係では、65歳未満の場合、基本手当を受給している間は特別支給の老齢厚生年金が全額停止されます。失業保険を受け取るか、年金を受け取るかを選択する必要があります。どちらが総額で有利かを計算し、賢く選択することが大切です。

定年退職特有の注意点

定年退職時には、通常の退職とは異なる注意点がいくつかあります。まず、定年後の再雇用制度を利用する場合、健康保険の加入期間が継続するため、傷病手当金の受給条件に影響します。再雇用契約を結んだ後に退職する場合は、その時点からの条件を確認する必要があります。

また、定年退職の場合、退職金が支払われることが多いです。退職金は傷病手当金や失業保険の受給には影響しませんが、国民健康保険料や住民税の計算には影響します。退職金を受け取った年は、翌年の保険料や税金が高くなる可能性があるため、資金計画に注意が必要です。

定年退職後に病気になった場合、国民健康保険には傷病手当金の制度がありません。在職中から病気やケガで休業していた場合のみ、退職後も傷病手当金を受け取ることができます。定年前の体調管理と、必要に応じた早めの受診が重要です。

定年退職時には、退職後の生活設計を総合的に考える必要があります。年金、退職金、傷病手当金、失業保険など、さまざまな収入源を組み合わせて、最も有利な方法を選択しましょう。必要に応じて、社会保険労務士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも検討すると良いでしょう。


社会保険給付金から失業保険への切り替えタイミングと注意点

傷病手当金から失業保険への切り替えは、タイミングが非常に重要です。ここでは、切り替えのベストタイミングと注意点について詳しく解説します。

傷病手当金の受給が終了したら

傷病手当金の受給期間は、通算で最長1年6ヶ月間です。この期間が終了したら、病気やケガが完全に治っていなくても、傷病手当金を受け取ることはできなくなります。この時点で、失業保険への切り替えを検討する必要があります。

傷病手当金の受給期間が終了する前に、今後の計画を立てておくことが重要です。まだ完全に働ける状態ではない場合は、失業保険の受給期間延長申請を活用します。健康状態が回復すれば、その時点で失業保険の受給を開始できます。

受給期間の終了が近づいたら、ハローワークに相談に行くことをおすすめします。失業保険の受給手続きや、受給期間の延長申請について、詳しく説明を受けることができます。傷病手当金の終了と失業保険の開始の間に空白期間ができないよう、計画的に手続きを進めましょう。

また、傷病手当金の受給終了後も、完全に働ける状態になるまで時間がかかる場合があります。この場合は、生活費の確保が課題となります。貯蓄や家族の支援、生活保護制度など、他の方法も検討する必要があるかもしれません。

病気やケガが回復したときの手続き

傷病手当金を受給している途中で、病気やケガが回復して働ける状態になった場合は、速やかに失業保険への切り替え手続きを行います。まず、主治医に診断書を書いてもらい、労務可能になったことを証明してもらいます。

次に、協会けんぽに連絡して、傷病手当金の受給を終了する旨を伝えます。最後に受給した期間までの申請書を提出し、その後の申請は行いません。傷病手当金の受給を続けながら失業保険を受け取ることはできないため、明確に区切りをつける必要があります。

その後、ハローワークに行き、求職申込と失業保険の受給手続きを行います。事前に受給期間の延長申請をしていた場合は、その延長を解除して受給を開始します。延長申請をしていなかった場合でも、退職日から1年以内であれば、通常通り失業保険を受給できます。

ハローワークでは、健康状態について質問されることがあります。正直に、病気やケガは回復し、現在は働ける状態であることを伝えましょう。必要に応じて、医師の診断書の提出を求められることもあります。健康状態が確認できれば、失業保険の受給が開始されます。

ハローワークでの求職申込のタイミング

失業保険を受け取るためには、ハローワークでの求職申込が必須です。求職申込のタイミングは、病気やケガが回復して働ける状態になった時点が最適です。まだ完全に働ける状態ではない場合は、受給期間の延長を続けることをおすすめします。

求職申込は、できるだけ早く行うことが有利です。失業保険の受給期間は、原則として退職日の翌日から1年間です。この1年間の中で、規定の給付日数分を受け取る必要があります。求職申込が遅れると、給付日数を使い切る前に受給期間が終了してしまう可能性があります。

ただし、働ける状態ではないのに求職申込を行うことは不正受給になります。病気やケガが完全に治り、医師からも労務可能の診断を受けてから、求職申込を行うようにしましょう。

求職申込を行う際には、離職票、マイナンバーカード、写真、印鑑、本人名義の預金通帳などを持参します。受給期間の延長をしていた場合は、延長申請時の書類も必要です。ハローワークの窓口で、延長を解除して受給を開始する旨を伝えます。

切り替え時の待機期間

失業保険の受給を開始する際には、7日間の待期期間があります。これは、求職申込を行った日から7日間は、失業状態であることを確認するための期間で、この間は失業保険が支給されません。この待期期間は、すべての人に共通して必要な期間です。

自己都合退職の場合は、待期期間に加えて2ヶ月間の給付制限期間があります。しかし、傷病手当金から切り替える場合、退職理由が自己都合であっても、病気やケガによる退職であれば、給付制限が免除されることがあります。この点については、ハローワークで確認しましょう。

会社都合退職の場合は、給付制限期間はありません。待期期間の7日間が経過すれば、すぐに失業保険の支給が始まります。病気やケガで退職した場合、会社都合として認められる可能性もあるため、離職票の退職理由をよく確認することが大切です。

待期期間中は、アルバイトなどの就労はできるだけ避けることをおすすめします。待期期間中に働くと、その日数だけ待期期間が延長されるため、失業保険の受給開始が遅れてしまいます。やむを得ず働く場合は、ハローワークに申告する必要があります。

受給期間の延長申請

病気やケガで働けない期間が長引く場合は、失業保険の受給期間延長申請を行うことが重要です。通常、失業保険は退職日の翌日から1年間しか受給できませんが、延長申請を行えば、最長で4年間まで受給権を保持できます。

受給期間の延長申請は、働けなくなった日から30日経過後に行います。申請できる期間は、働けなくなった日から30日経過した日の翌日から、受給期間の最後の日までです。例えば、2025年4月1日に退職した場合、2026年3月31日までに申請する必要があります。

申請には、離職票、受給期間延長申請書、延長の理由を証明する書類(医師の診断書など)が必要です。ハローワークの窓口で手続きを行うか、郵送でも受け付けてもらえます。代理人による申請も可能です。

延長申請を行わないと、傷病手当金を受給している間に失業保険の受給期間が経過してしまいます。病気やケガが治ったときに失業保険を受け取れなくなるため、必ず延長申請を行いましょう。延長申請は、傷病手当金を受給する場合の必須手続きと考えてください。


失業保険と傷病手当の併用パターン|退職理由別の受給方法

退職理由によって、失業保険と傷病手当金の受給パターンは異なります。ここでは、退職理由別に最適な受給方法を解説します。

自己都合退職で病気になった場合

自己都合で退職した後に病気になった場合、基本的には傷病手当金を受け取ることはできません。傷病手当金は、在職中から病気やケガで休業していた場合に限り、退職後も継続して受給できる制度だからです。退職後に新たに病気になっても、受給資格はありません。

この場合は、失業保険の受給期間延長申請を行うことが重要です。病気やケガで働けない状態であることを医師の診断書で証明し、ハローワークで延長申請を行います。最長3年間(本来の1年間と合わせて4年間)まで受給期間を延長できます。

病気が治って働ける状態になったら、延長を解除して失業保険の受給を開始します。自己都合退職の場合、通常は2ヶ月間の給付制限期間がありますが、病気が理由で退職した場合は、給付制限が免除されることがあります。ハローワークで退職理由を説明し、確認してもらいましょう。

自己都合退職の場合、給付日数は90日から150日と短めです。できるだけ早く健康を回復させ、受給期間内に給付日数を使い切れるよう計画的に進めることが大切です。

会社都合退職で病気になった場合

会社都合で退職した後に病気になった場合も、退職後に新たに発症した病気については傷病手当金を受け取ることはできません。ただし、在職中から病気やケガで休業していた場合は、退職後も継続して傷病手当金を受給できます。

会社都合退職の場合、失業保険の給付日数が多く、給付制限期間もないため、傷病手当金よりも失業保険を優先したほうが有利なケースもあります。特に、病気やケガの程度が軽く、短期間で回復する見込みがある場合は、受給期間延長申請を行って、回復後すぐに失業保険を受給する方法が効率的です。

逆に、病気やケガが重く、長期間の療養が必要な場合は、傷病手当金を優先することになります。会社都合退職であっても、在職中から傷病手当金を受給していれば、退職後も継続して受け取ることができます。通算1年6ヶ月間受給できるため、じっくり療養に専念できます。

会社都合退職の場合は、失業保険の給付日数が最大330日と長いため、傷病手当金の受給終了後に失業保険に切り替えれば、長期間にわたって給付を受けられる可能性があります。受給期間の延長申請を忘れずに行い、トータルで最大限の給付を受けられるよう計画しましょう。

退職後に病気になった場合の対処法

退職後に病気になった場合、傷病手当金を新たに受給することはできません。しかし、失業保険の受給期間延長申請を活用することで、将来の給付権を保護することができます。退職後に病気になったら、できるだけ早くハローワークで延長申請を行いましょう。

延長申請は、働けなくなった日から30日経過後に行います。例えば、退職後2ヶ月目に病気になった場合、病気になった日から30日経過後にハローワークで手続きを行います。医師の診断書を添えて、病気やケガで働けないことを証明します。

延長期間中は、失業保険を受け取ることはできませんが、受給権は保持されます。病気が治って働ける状態になったら、延長を解除して失業保険の受給を開始します。この方法により、病気の治療期間を確保しつつ、治った後に失業保険を受け取ることができます。

退職後に病気になった場合、生活費の確保が大きな課題となります。傷病手当金が受け取れないため、貯蓄を取り崩すか、家族の支援を受けるか、場合によっては生活保護制度の利用も検討する必要があります。健康保険に加入していれば、高額療養費制度などを活用して医療費の負担を軽減することも重要です。

最も給付金を多く受け取る方法

傷病手当金と失業保険の両方を最大限活用して、トータルで最も多くの給付金を受け取る方法を考えてみましょう。基本的な戦略は、「傷病手当金を受給してから失業保険に切り替える」パターンです。

まず、在職中に病気やケガで休業し、傷病手当金の受給を開始します。待期期間を完成させ、退職日の前日までに少なくとも1日分の傷病手当金を受給できる状態にしておきます。退職日は必ず休業するか有給休暇を使用し、出勤しないようにします。

退職後も傷病手当金を継続して受給し、通算で最長1年6ヶ月間受け取ります。この間に、ハローワークで失業保険の受給期間延長申請を行います。延長により、失業保険の受給権を最長4年間保持できます。

傷病手当金の受給期間が終了したら、または病気が治ったら、失業保険への切り替えを行います。ハローワークで受給期間の延長を解除し、求職申込と失業保険の受給手続きを行います。会社都合退職の場合、最大330日間の失業保険を受け取ることができます。

このパターンなら、傷病手当金で最長1年6ヶ月、失業保険で最長330日、合計で2年以上にわたって給付金を受け取ることが可能です。ただし、受給期間の延長申請を忘れると失業保険を受け取れなくなるため、手続きのタイミングには十分注意しましょう。


社会保険給付金制度を利用する際のよくある質問

社会保険給付金制度や失業保険について、よくある質問とその回答をまとめました。疑問を解消して、安心して制度を利用しましょう。

社会保険給付金制度とは退職者全員が使える制度?

社会保険給付金制度は、すべての退職者が利用できるわけではありません。傷病手当金を退職後も受け取るためには、いくつかの条件を満たす必要があります。最も重要なのは、退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していたことです。

また、在職中から病気やケガで休業していたことも必須条件です。退職してから病気になった場合は、退職後の傷病手当金を受け取ることはできません。さらに、退職日に出勤していないことも条件となります。

国民健康保険には傷病手当金の制度がありません。そのため、自営業者やフリーランスの方は、傷病手当金を受け取ることができません。会社員や公務員として健康保険に加入していた人のみが対象となる制度です。

失業保険についても、雇用保険に加入していなければ受け取ることができません。雇用保険の加入期間が一定期間以上あり、働く意思と能力がある場合に限り、失業保険を受給できます。すべての退職者が自動的に受け取れる制度ではないことを理解しておきましょう。

国民健康保険に切り替えても受け取れる?

退職後に国民健康保険に切り替えても、傷病手当金を受け取ることは可能です。傷病手当金の受給資格は、退職時に取得したものであり、退職後にどの健康保険に加入するかは関係ありません。国民健康保険に加入しても、家族の扶養に入っても、受給資格は継続します。

ただし、国民健康保険から新たに傷病手当金を受け取ることはできません。国民健康保険には傷病手当金の制度がないからです。受け取れるのは、退職前の健康保険(協会けんぽや健康保険組合)から継続して支給される分のみです。

国民健康保険の保険料は、前年の所得に基づいて計算されます。退職前の給料が高かった場合、国民健康保険料も高額になる可能性があります。傷病手当金を受給している間は収入が減っているにもかかわらず、保険料は高いままということもあるため、資金計画に注意が必要です。

また、退職後は任意継続被保険者制度を利用して、退職前の健康保険を最長2年間継続することもできます。任意継続の場合、会社負担分も自分で支払う必要がありますが、国民健康保険より保険料が安くなる場合があります。どちらが有利かを比較して選択しましょう。

パートやアルバイトでも受給できる?

パートやアルバイトでも、条件を満たせば傷病手当金を受け取ることができます。重要なのは、健康保険に加入しているかどうかです。週の所定労働時間が20時間以上で、月額賃金が8.8万円以上などの条件を満たせば、健康保険に加入できます。

健康保険に加入しているパート・アルバイトの方が、病気やケガで働けなくなった場合、傷病手当金を受給できます。受給額は、標準報酬月額をもとに計算されるため、給料が少ない場合は受給額も少なくなります。

失業保険についても、雇用保険に加入していれば受給できます。週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある場合、雇用保険に加入する必要があります。加入していれば、退職後に失業保険を受け取ることができます。

パート・アルバイトの場合、健康保険や雇用保険に加入していないケースも多いです。まず、自分が加入しているかどうかを確認することが重要です。加入していない場合は、退職後に傷病手当金や失業保険を受け取ることはできません。

受給中にアルバイトをしても大丈夫?

傷病手当金を受給している間にアルバイトをすることは、原則として認められません。傷病手当金は、病気やケガで働けない状態にある人への給付金だからです。アルバイトができる健康状態であれば、労務不能とは言えないため、受給資格を失います。

もしアルバイトをした場合は、その事実を協会けんぽに正直に申告する必要があります。アルバイトをした期間については、傷病手当金は支給されません。虚偽の申告をして受給を続けると、不正受給として給付金の返還を求められることがあります。

失業保険の受給中にアルバイトをすることは可能ですが、申告が必要です。1日4時間未満の労働であれば「内職・手伝い」として扱われ、収入に応じて失業保険が減額されます。1日4時間以上働いた場合は、その日は就労したとみなされ、失業保険は支給されません。

失業保険の受給中にアルバイトをする場合は、必ず失業認定日に申告しましょう。申告しないで働くと、不正受給として厳しく処分されます。失業保険の支給停止だけでなく、受給した金額の返還や、最大3倍の納付命令が科されることもあります。正直な申告を心がけましょう。

申請期限はいつまで?

傷病手当金の申請期限は、支給を受けることができる日ごとに、その翌日から2年間です。例えば、2025年4月1日分の傷病手当金は、2027年4月1日まで申請できます。2年を過ぎると時効となり、受け取ることができなくなります。

ただし、傷病手当金は支給開始日から通算1年6ヶ月しか受給できません。申請が遅れても受給期間が延びるわけではないため、できるだけ早めに申請することをおすすめします。1ヶ月ごとや2ヶ月ごとなど、定期的に申請する習慣をつけましょう。

失業保険の受給期限は、原則として退職日の翌日から1年間です。この1年間の中で、規定の給付日数分を受け取る必要があります。病気やケガで働けない場合は、受給期間の延長申請を行うことで、最長4年間まで受給権を保持できます。

受給期間の延長申請の期限は、受給期間の最後の日までです。例えば、2025年4月1日に退職した場合、2026年3月31日までに延長申請を行う必要があります。この期限を過ぎると、失業保険を受け取る権利を失ってしまうため、早めに手続きを行いましょう。


まとめ|社会保険給付金と失業保険の違いを理解して退職後の生活に備えよう

社会保険給付金と失業保険は、どちらも退職後の生活を支える重要な制度ですが、その目的と仕組みは大きく異なります。社会保険給付金の傷病手当金は病気やケガで働けない人のための制度、失業保険は働ける人が仕事を探すための制度という根本的な違いを理解することが大切です。

傷病手当金を退職後も受け取るためには、退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していること、在職中から病気やケガで休業していること、退職日に出勤していないことなど、いくつかの条件を満たす必要があります。これらの条件を事前に確認し、退職前に適切な準備をしておくことが重要です。

失業保険については、雇用保険の加入期間や退職理由によって給付日数が異なります。会社都合退職のほうが自己都合退職よりも給付日数が多く、給付制限期間もないため有利です。退職理由が不当に自己都合とされている場合は、ハローワークで異議を申し立てることも検討しましょう。

傷病手当金と失業保険は原則として同時に受け取ることができませんが、傷病手当金を受給した後に失業保険に切り替えることで、トータルで長期間にわたって給付を受けることが可能です。失業保険の受給期間延長申請を忘れずに行い、病気が治ったタイミングで失業保険に切り替えることが、最も給付金を多く受け取る方法となります。

定年退職の場合でも、条件を満たせば傷病手当金や失業保険を受け取ることができます。ただし、年金との調整があるため、どの給付を優先するかを慎重に検討する必要があります。総合的な資金計画を立て、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

退職後の生活設計において、社会保険給付金と失業保険は大きな支えとなります。制度の内容を正しく理解し、自分の状況に合った最適な方法を選択することで、安心して療養や求職活動に専念できるでしょう。この記事で解説した内容を参考に、退職前の準備と退職後の手続きを計画的に進めていってください。

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