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失業保険の受給中にバイトはできる?条件や減額されない働き方を解説

失業保険を受給しながら生活費を補うためにアルバイトをしたいと考えている方は多いのではないでしょうか。「働いたら失業保険が止まってしまうのでは」「受給額が減ってしまうかもしれない」といった不安から、なかなか一歩を踏み出せずにいる方もいるかもしれません。

結論から言えば、失業保険の受給中でもルールを守ればアルバイトは可能です。ただし、働く時間や収入額によって「失業保険の支給が先送りになる」「受給額が減額される」といった影響が出るケースがあります。特に「1日4時間」という境界線が重要で、これを超えるか超えないかで扱いが大きく変わってきます。

この記事では、失業保険を受給しながらアルバイトをするための具体的な条件、1日4時間を境にした「先送り」と「減額」の仕組み、そしてハローワークへの正しい申告方法まで、知っておくべきポイントを分かりやすく整理しました。

ルールを正しく理解すれば、不正受給のリスクを避けながら安心してアルバイトができます。失業保険を賢く活用しながら、次の仕事探しに専念できる環境を整えていきましょう。

目次

失業保険を受給しながらバイトをするための3つの条件

失業保険を受給しながらアルバイトをするには、いくつかの重要な条件があります。これらの条件を守らないと、失業保険の受給資格を失ってしまったり、不正受給とみなされたりする可能性があるため注意が必要です。ここでは、必ず押さえておきたい3つの条件について解説します。

週の労働時間は20時間未満に抑える

失業保険を受給するための大前提として、「週の労働時間が20時間未満」という条件があります。これは雇用保険の加入要件と密接に関係しています。

雇用保険は、週20時間以上働くことが加入の条件となっています。つまり、週20時間以上働いてしまうと「就職した」とみなされ、失業保険の受給資格を失ってしまうのです。たとえば、週5日働く場合は1日あたり4時間未満に抑える必要があります。週3日働くなら1日6時間程度まで可能ですが、合計で20時間を超えないように調整しましょう。

複数のアルバイトを掛け持ちしている場合は、すべての労働時間を合算して計算します。A社で週10時間、B社で週12時間働いていれば、合計22時間となり20時間を超えてしまうため、失業保険の受給資格を失います。掛け持ちを考えている方は、全体の労働時間を必ず確認してください。

また、この「週20時間」は継続的な雇用契約を前提としています。単発のアルバイトや日雇いの仕事の場合は、その週だけの時間で判断されるため、たまたま1週間で20時間を超えたからといって即座に受給資格を失うわけではありません。ただし、実質的に継続雇用と判断される場合は注意が必要です。

1日4時間を境に「先送り」か「減額」かが決まる

失業保険を受給しながらアルバイトをする際、最も重要なのが「1日4時間」という境界線です。この4時間を超えるか超えないかで、失業保険の扱いが大きく変わります。

1日4時間以上働いた場合は、その日は「就労した日」として扱われます。その日の失業保険は支給されませんが、支給日数が後ろにズレるだけで、受給できる総額は減りません。たとえば、本来90日分の失業保険を受給できる人が10日間4時間以上働いた場合、その10日分は支給されませんが、受給期間が10日延びて合計90日分はしっかり受け取れます。

一方、1日4時間未満で働いた場合は、「内職・手伝い」として扱われます。この場合は支給日が先送りされることはありませんが、収入額によっては失業保険の支給額が減額される可能性があります。減額の計算方法については後ほど詳しく解説しますが、少額の収入であれば減額されないケースもあります。

この「4時間」という基準は、実際の労働時間で判断されます。休憩時間は含まれませんので、たとえば9時から14時まで働いて途中1時間の休憩があった場合、実労働時間は4時間となり「就労」扱いとなります。また、通勤時間や待機時間も労働時間には含まれません。

シフト制のアルバイトでは、日によって労働時間が変わることもあるでしょう。月曜日は3時間、火曜日は5時間といったように、4時間を挟んで働く日がある場合は、それぞれの日ごとに「就労」か「内職」かが判定されます。ハローワークへの申告時には、この区別を明確にして記入する必要があります。

ハローワークへの申告を必ず行う

失業保険を受給しながらアルバイトをする際、最も重要なのがハローワークへの申告です。どんなに短時間の仕事でも、どんなに少額の収入でも、必ず申告しなければなりません。

失業保険の受給中は、通常4週間に1度、ハローワークで「失業認定」を受ける必要があります。この認定日には「失業認定申告書」を提出しますが、この申告書にアルバイトをした日と収入額を正確に記入します。

申告書には「就労」と「内職・手伝い」を記入する欄が分かれています。1日4時間以上働いた日は「就労」の欄に、4時間未満で働いた日は「内職・手伝い」の欄に、それぞれ日付と収入額(交通費を含む)を記入してください。収入額は手取りではなく、税金や保険料が引かれる前の総支給額を記入します。

「現金手渡しだからバレないだろう」「少額だから申告しなくていいだろう」と考えるのは非常に危険です。ハローワークは複数のルートで情報を入手できる体制を持っています。たとえば、アルバイト先の雇用保険や社会保険の加入記録、税務署との情報連携、さらには第三者からの通報なども確認手段となります。

申告漏れが発覚した場合のペナルティは非常に厳しく、不正受給とみなされます。受け取った失業保険の全額返還に加えて、その2倍の額の納付を命じられるため、実質的に「3倍返し」となります。たとえば、30万円を不正受給した場合、30万円の返還と60万円の納付で合計90万円を支払わなければなりません。さらに、今後の失業保険の受給資格を失う可能性もあります。

アルバイトをすること自体は違法ではありません。むしろ、正直に申告して適切に処理すれば、ハローワークの職員も丁寧に対応してくれます。分からないことがあれば、認定日に遠慮なく質問しましょう。

1日「4時間以上」働いた場合:支給が先送りされる

1日4時間以上働いた場合、失業保険の扱いがどうなるのか、具体的に見ていきましょう。この場合は「就労」として扱われ、失業保険の支給に影響が出ますが、損をするわけではありません。仕組みを正しく理解すれば、安心してアルバイトができます。

支給日は後ろにズレるが受給総額は減らない

1日4時間以上働いた日は「就労」として扱われ、その日の失業保険は支給されません。ただし、この日の分が消滅するわけではなく、支給日が後ろにズレるだけです。

具体的な例で説明しましょう。失業保険の所定給付日数が90日の方が、受給期間中に合計10日間、4時間以上のアルバイトをしたとします。この場合、その10日間は失業保険が支給されませんが、支給期間が10日延長され、最終的には90日分の失業保険をすべて受け取ることができます。

この仕組みのメリットは、「総額が減らない」という点です。4時間以上働いてアルバイト代を稼ぎながら、失業保険の受給総額も確保できるため、実質的には収入が増えることになります。たとえば、時給1,200円で5時間働けば6,000円のアルバイト代を得られ、なおかつ失業保険の1日分(たとえば5,000円)も後日受け取れるため、その日は実質11,000円の収入となります。

ただし、注意点もあります。失業保険には「受給期間」という制限があり、原則として離職日の翌日から1年間です。この1年を過ぎると、残りの支給日数があっても失業保険を受け取ることができなくなります。

たとえば、所定給付日数90日の方が、受給開始から8ヶ月後に30日分のアルバイト(4時間以上)をした場合、30日分の支給が先送りされます。しかし、受給期間の1年が近づいていると、先送りされた分を受け取れないまま期間満了となる可能性があります。長期間のアルバイトを予定している方や、受給開始から時間が経っている方は、この点を考慮してください。

なお、就職活動に支障が出ないよう、アルバイトの日数や時間は計画的に調整することが大切です。「週20時間未満」という条件を守りながら、失業保険の受給期間内に収まるよう働くことを心がけましょう。

単発バイトやタイミーなどの扱い

最近では、タイミーやシェアフルなどのスキマバイトアプリを利用して、1日単位で働く方も増えています。こうした単発バイトやスポット勤務も、失業保険の受給中であれば申告が必要です。

単発バイトでも、1日4時間以上働いた場合は「就労」として扱われます。たとえば、イベントスタッフとして6時間働いた、引っ越しの手伝いで5時間働いたといった場合は、その日の失業保険は支給されず、後日に先送りされます。

タイミーなどのアプリでは、働いた時間と収入額が記録として残るため、申告漏れがあると後から発覚しやすくなります。実際、こうしたプラットフォームの運営会社がハローワークと情報連携しているケースもあるため、「単発だからバレない」という考えは禁物です。

また、単発バイトを複数日行った場合は、それぞれの日ごとに申告が必要です。たとえば、1週間のうち月曜日に5時間、木曜日に6時間の単発バイトをした場合、この2日間は「就労」として申告し、それぞれの収入額も記入します。

日払いや即日払いの仕事も同様に申告が必要です。給与の支払い方法に関わらず、実際に働いた日と収入額を正確に申告してください。現金手渡しであっても、申告義務は変わりません。

単発バイトのメリットは、自分のペースで働ける点です。就職活動の予定に合わせて、面接のない日だけ働くといった調整がしやすいでしょう。ただし、週20時間を超えないよう、また失業保険の受給期間を圧迫しないよう、計画的に働くことが大切です。

1日「4時間未満」働いた場合:収入額によって減額される

1日4時間未満で働いた場合は、「内職・手伝い」として扱われ、失業保険の支給日が先送りされることはありません。ただし、収入額によっては失業保険の支給額が減額される可能性があります。ここでは、減額の仕組みと、減額されないための基準について詳しく解説します。

減額の対象になる計算式と上限額の目安

1日4時間未満で働いた場合、その収入額と失業保険の基本手当日額を合わせた金額が、離職前の賃金日額の80%を超えると、超えた分だけ失業保険が減額されます。

具体的な計算式は以下の通りです。

減額される金額 = (基本手当日額 + 収入額 – 控除額) – 賃金日額 × 80%

ここで「控除額」とは、収入から差し引かれる金額のことで、2024年8月以降は1,380円となっています。この控除額は、実際の収入から交通費などの経費分を考慮したものです。

具体例で見てみましょう。

例1:減額されないケース

  • 賃金日額:10,000円
  • 基本手当日額:5,000円
  • アルバイト収入:2,000円(4時間未満の労働)

計算式に当てはめると: (5,000円 + 2,000円 – 1,380円) = 5,620円 10,000円 × 80% = 8,000円

5,620円 < 8,000円なので、減額はされません。失業保険5,000円とアルバイト収入2,000円の両方を満額受け取れます。

例2:減額されるケース

  • 賃金日額:10,000円
  • 基本手当日額:5,000円
  • アルバイト収入:4,000円(4時間未満の労働)

計算式に当てはめると: (5,000円 + 4,000円 – 1,380円) = 7,620円 10,000円 × 80% = 8,000円

7,620円 < 8,000円なので、この場合も減額はされません。

例3:減額されるケース(収入が多い場合)

  • 賃金日額:10,000円
  • 基本手当日額:5,000円
  • アルバイト収入:5,000円(4時間未満の労働)

計算式に当てはめると: (5,000円 + 5,000円 – 1,380円) = 8,620円 10,000円 × 80% = 8,000円

8,620円 > 8,000円なので、超過分の620円が減額されます。 実際に受け取れる失業保険は5,000円 – 620円 = 4,380円となります。

このように、1日4時間未満で働いた場合でも、収入額が多いと失業保険が減額される可能性があります。ただし、完全に支給されなくなるわけではなく、あくまで超過分が減額されるだけです。

なお、この計算は1日単位で行われます。4時間未満で働いた日が複数ある場合は、それぞれの日ごとに計算されます。

「いくらまで」なら減額されずに済む?

「結局、いくらまでなら減額されないの?」という疑問を持つ方は多いでしょう。減額されない上限額は、個人の賃金日額と基本手当日額によって異なりますが、おおまかな目安を知っておくと便利です。

基本的な考え方として、賃金日額の80% – 基本手当日額 + 1,380円が、減額されずに稼げる上限額となります。

たとえば、賃金日額が10,000円、基本手当日額が5,000円の場合: 10,000円 × 80% – 5,000円 + 1,380円 = 4,380円

つまり、1日あたり4,380円までなら、失業保険を減額されずに受け取れます。

賃金日額が12,000円、基本手当日額が6,000円の場合: 12,000円 × 80% – 6,000円 + 1,380円 = 4,980円

この場合は、1日あたり4,980円までなら減額されません。

一般的な目安として、1日3,000円~5,000円程度のアルバイト収入であれば、多くのケースで減額されないと考えてよいでしょう。時給1,200円で3時間働けば3,600円、時給1,500円で3時間働けば4,500円となり、この範囲内であれば問題ないことが多いです。

ただし、この計算は複雑で、個人の状況によって異なります。自分の正確な上限額を知りたい場合は、ハローワークの窓口で確認することをおすすめします。失業認定申告書を提出する際に、職員が計算してくれますので、遠慮なく質問してください。

また、減額されたとしても、働いた分の収入は得られます。たとえば、失業保険が500円減額されても、アルバイトで5,000円稼いでいれば、トータルでは増収となります。「減額されるから働かない方がいい」と考えるのではなく、「多少減額されても、働いた方が総収入は増える」と前向きに考えることも大切です。

ただし、あまりに高額な収入を得てしまうと、「実質的に就職している」とみなされ、失業保険の受給資格を失う可能性もあります。週20時間未満という条件を守りながら、適度に働くことを心がけましょう。

注意!給付制限期間中のバイトと社会保険の扶養について

失業保険を受給する際には、「給付制限期間」や「社会保険の扶養」といった、見落としがちなポイントにも注意が必要です。これらを理解しておかないと、思わぬ損失を被る可能性があります。

自己都合退職の「給付制限」の間ならたくさん働ける?

自己都合で退職した場合、失業保険の受給開始までに「給付制限期間」が設けられます。2020年10月以降、給付制限期間は原則2ヶ月(5年以内に2回目の自己都合退職の場合は3ヶ月)となっています。この期間中は失業保険が支給されないため、「給付制限の間なら自由に働けるのでは?」と考える方もいるかもしれません。

確かに、給付制限期間中はまだ失業保険を受給していないため、アルバイトの時間や収入に厳しい制限はありません。ただし、完全に自由に働けるわけではないという点に注意が必要です。

給付制限期間中でも、週20時間以上の労働を継続的に行うと、「就職した」とみなされ、失業保険の受給資格そのものを失ってしまいます。たとえば、給付制限の2ヶ月間、週30時間のアルバイトを継続した場合、雇用保険の加入要件を満たすため、就職扱いとなり、失業保険の受給開始を迎えることができません。

また、給付制限期間中であっても、ハローワークでの求職活動は必要です。アルバイトに没頭しすぎて求職活動を怠ると、失業認定を受けられない可能性があります。給付制限期間中も、原則として4週間に1度の失業認定を受ける必要がありますので、認定日は必ず出頭してください。

給付制限期間を有効活用するなら、週20時間未満の範囲で働きながら、並行して就職活動を進めるのが賢い方法です。この期間に職業訓練を受けたり、資格取得の勉強をしたりするのも有効な選択肢でしょう。

なお、会社都合退職や特定理由離職者の場合は、給付制限期間がなく、待期期間(7日間)が終わればすぐに失業保険の受給が始まります。この場合は、最初から1日4時間の制限や週20時間未満の条件を守る必要があります。

日額3,612円の壁!社会保険の扶養から外れるリスク

配偶者の扶養に入っている方が失業保険を受給する場合、「社会保険の扶養」から外れる可能性があるという点も見落とせません。特に、基本手当日額が3,612円以上の場合は注意が必要です。

健康保険の扶養認定基準では、「年収130万円未満」という条件があります。この年収には、失業保険も含まれます。失業保険の基本手当日額が3,612円以上の場合、年換算すると約130万円を超えるため、扶養から外れる可能性があるのです。

具体的には: 3,612円 × 360日 = 約130万円

この基準を超えると、配偶者の健康保険の扶養から外れ、自分で国民健康保険に加入し、国民年金の保険料も自己負担しなければなりません。国民健康保険料と国民年金保険料を合わせると、月額3万円~4万円程度の負担となるケースが多く、失業保険を受給している短期間とはいえ、家計への影響は小さくありません。

ただし、この扱いは加入している健康保険組合によって異なります。失業保険を「収入」とみなさない健康保険組合もあれば、厳格に適用する組合もあります。配偶者の勤務先の健康保険組合に、事前に確認しておくことをおすすめします。

また、失業保険の受給が終われば、再び扶養に入ることができます。受給期間中だけ一時的に扶養から外れ、受給終了後に再加入する手続きを取ることになります。この手続きは、配偶者の勤務先を通じて行いますので、早めに相談しておきましょう。

さらに、扶養を外れている期間のアルバイト収入にも注意が必要です。失業保険の受給が終わって再び扶養に入った後、年間の合計収入(失業保険+アルバイト収入)が130万円を超えると、また扶養から外れてしまいます。特に、給付制限期間中にアルバイトを多めにしていた場合は、年間収入の合計を確認しておきましょう。

税制上の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除)については、失業保険は非課税所得なので影響しません。ただし、アルバイト収入は課税対象となるため、年間103万円(または150万円)を超えると配偶者控除が受けられなくなる点には注意してください。

社会保険の扶養と税制上の扶養は別の制度です。両方の基準を確認しながら、働き方を調整することが大切です。

不正受給はNG!ハローワークへの正しい申告手順

失業保険の不正受給は、決して軽く考えてはいけません。「少額だから」「現金手渡しだから」という理由で申告を怠ると、後から発覚して大きなペナルティを受けることになります。ここでは、正しい申告方法と、不正受給のリスクについて詳しく解説します。

どんなに少額・手渡しでも申告が必要な理由

失業保険を受給しながらアルバイトをする場合、どんなに短時間でも、どんなに少額でも、必ずハローワークに申告しなければなりません。「1日だけの単発バイト」「友人の手伝いで2,000円もらっただけ」といったケースでも、申告義務は発生します。

なぜ少額でも申告が必要なのでしょうか。それは、失業保険の制度が「完全に失業している状態」を前提としているからです。たとえわずかでも収入がある場合は、その事実を申告して、受給額を適切に調整する必要があります。

「現金手渡しならバレないだろう」と考えるのは大きな間違いです。ハローワークは、複数のルートで情報を把握する体制を整えています。

まず、アルバイト先の雇用保険・社会保険の記録です。アルバイト先が雇用保険や社会保険に加入させた場合、その記録はハローワークと共有されます。また、アルバイト先が源泉徴収を行った場合も、税務署を通じて情報が連携される可能性があります。

次に、市区町村の住民税の記録です。アルバイト収入がある場合、翌年の住民税に反映されます。住民税の申告内容から、前年にアルバイト収入があったことが判明し、それが失業保険の受給期間と重なっていれば、不正受給が発覚します。

さらに、第三者からの通報も無視できません。アルバイト先の同僚や知人が、「あの人、失業保険をもらいながら働いている」とハローワークに通報するケースもあります。匿名での通報も可能なため、本人が気づかないうちに調査が始まることもあります。

また、SNSの投稿から発覚するケースも増えています。「今日は単発バイトで5,000円稼いだ!」といった投稿や、職場での写真をSNSにアップすることで、不正受給が明らかになることがあります。デジタル時代の情報拡散力を侮ってはいけません。

ハローワークは、こうした情報を総合的に判断して、不正受給の調査を行います。後から発覚した場合のペナルティは非常に厳しいため、最初から正直に申告することが、結果的に自分を守ることになります。

申告の手続き自体は難しくありません。4週間に1度の失業認定日に、「失業認定申告書」に働いた日と収入額を記入するだけです。ハローワークの職員は、申告された内容をもとに、減額の有無や先送りの処理を行ってくれます。

分からないことがあれば、遠慮なく職員に質問しましょう。「こういう働き方をしたいんですが、申告はどうすればいいですか?」と事前に相談すれば、丁寧に教えてくれます。正直に相談することで、職員との信頼関係も築けますし、安心して就職活動に専念できます。

申告漏れのペナルティ「3倍返し」とは

失業保険の不正受給が発覚した場合、非常に厳しいペナルティが科せられます。これは俗に「3倍返し」と呼ばれ、実際に受け取った金額の3倍を返納しなければならない仕組みです。

具体的には、以下の2つの支払いが発生します。

1. 不正受給額の全額返還 不正に受給した失業保険の全額を、一括で返還しなければなりません。たとえば、30万円を不正受給していた場合、まずこの30万円を返還します。

2. 不正受給額の2倍の納付命令 さらに、不正受給額の2倍に相当する額を、「納付命令」として支払わなければなりません。30万円の不正受給なら、その2倍の60万円が納付命令の対象となります。

つまり、30万円の不正受給の場合: 返還額30万円 + 納付命令60万円 = 合計90万円

となり、実質的に「3倍返し」となるのです。

この金額は、一括払いが原則です。分割払いは基本的に認められません。もし支払いが遅れた場合は、延滞金も発生します。さらに、財産の差し押さえなどの強制執行が行われる可能性もあります。

金銭的なペナルティだけではありません。不正受給が発覚した時点で、失業保険の受給資格を即座に失います。まだ受給期間が残っていても、以降は一切支給されません。たとえば、所定給付日数90日のうち30日分を受給した時点で不正が発覚した場合、残り60日分は受け取れなくなります。

さらに、今後の失業保険の受給にも影響が出ます。不正受給の記録はハローワークのシステムに残り、将来また失業して失業保険を申請する際に、審査が厳しくなる可能性があります。悪質なケースでは、一定期間、失業保険の受給資格そのものが認められないこともあります。

また、不正受給が悪質と判断された場合は、刑事告発される可能性もあります。詐欺罪として立件されれば、刑事罰(懲役または罰金)が科されることもあるのです。実際に、悪質な不正受給で逮捕・起訴されたケースも報道されています。

社会的な信用も失います。不正受給で有罪となれば前科がつきますし、職場や家族に知られれば、信頼関係が大きく損なわれます。就職活動中の身であれば、再就職にも悪影響が出るでしょう。

これほどのリスクを冒してまで、不正受給をする価値はありません。正直に申告していれば、何も恐れることはないのです。

もし、過去に申告漏れがあったことに気づいた場合は、すぐにハローワークに相談してください。自主的に申告すれば、ペナルティが軽減される可能性もあります。発覚してから発覚するよりも、自分から申し出る方が、はるかに良い結果につながります。

失業保険は、求職者の生活を支えるための大切な制度です。この制度を正しく利用し、誠実に申告することで、安心して次の仕事を探すことができます。不正をせず、堂々と失業保険を受給しましょう。

まとめ:ルールを知れば失業保険をもらいながらバイトはできる

失業保険を受給しながらアルバイトをすることは、ルールを守れば全く問題ありません。この記事で解説したポイントを改めて整理しましょう。

失業保険を受給しながらバイトをするための3つの条件は、週の労働時間を20時間未満に抑えること、1日4時間を境に「先送り」か「減額」かが決まること、そしてハローワークへの申告を必ず行うことです。この3つを守れば、安心してアルバイトができます。

1日4時間以上働いた場合は、その日の失業保険は支給されませんが、支給日が後ろにズレるだけで、受給総額は減りません。タイミーなどの単発バイトも同様に扱われます。一方、1日4時間未満で働いた場合は、収入額によって失業保険が減額される可能性がありますが、多くのケースでは1日3,000円~5,000円程度なら減額されずに受け取れます。

給付制限期間中は比較的自由に働けますが、週20時間以上の継続雇用は就職扱いとなるため注意が必要です。また、社会保険の扶養に入っている方は、基本手当日額が3,612円以上の場合、扶養から外れる可能性があることも覚えておきましょう。

最も重要なのは、ハローワークへの正直な申告です。どんなに少額でも、どんなに短時間でも、必ず申告してください。申告漏れが発覚すると「3倍返し」という厳しいペナルティが待っています。不正受給のリスクを冒すよりも、正直に申告して安心して就職活動に専念する方が、はるかに賢明な選択です。

失業保険は、求職活動をサポートするための制度です。適度にアルバイトをしながら生活費を補い、その間にしっかりと次の仕事を探すことが、この制度の本来の使い方です。ルールを理解し、正しく活用すれば、失業保険は心強い味方となってくれます。

分からないことがあれば、ハローワークの窓口で遠慮なく相談しましょう。職員は親切に対応してくれます。正直に、誠実に、そして賢く失業保険を活用して、あなたの次のキャリアに向けた第一歩を踏み出してください。

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